広島サミットで見せつけた日本の“稀有”なポジション
広島サミットは対中対決の民主主義諸国結束の場として大成功をおさめ、日本の貴重な国際的役割を世界に知らしめる場となった。
専制国家と対峙する米国の最有力の同盟国かつ専制国家に境を接している日本、素材・部品・装置などハイテク工業力・技術力で世界トップを維持する日本、ハイテクサプライチェーンで不可欠の環を持つ日本、ダイバーシティを標榜するG7で唯一の非白人国であり、Global South (途上国)との接点を持つ日本、自縄自縛とも思われる平和主義の国日本、など日本の稀有な立ち位置がいまほど世界から必要とされるときは、歴史上なかった。
日本株に吹く「歴史の順風」
これらの事情が日本にだけ、経済と市場の好循環を引き起こし始めている、と考えられる。とすれば、いまの日本株高は景気回復とか超金融緩和維持とか、割安是正とか、ケチなことではなく、日本の時代が始まった、日本の繁栄期が始まった出発点であるということなのかもしれない。
敗戦も、失われた30年もこれからの日本の繁栄期の準備の時期であった、とすらいえる時代に入っている、とは考えられないだろうか。
武者 陵司
株式会社武者リサーチ
代表
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