(※写真はイメージです/PIXTA)

夫が亡くなった際、妻と子供で「遺産」はどのように相続されるのでしょうか、また「相続税」はどのくらいかかるものなのでしょうか? 後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の中から、行政書士事務所Terroir・代表行政書士である鎌田昂伺氏が監修した記事を一部抜粋・編集してお届けします。

法定相続人の子供が未成年のケースの場合の遺産はどうなる?

法定相続人である子供がたとえ未成年者であった場合でも、年齢に関係なく遺産を承継できます。しかし、未成年者本人は単独で法律行為が行えません。

 

相続人として相続に関する法律行為を行う時、法定代理人の同意が必要となります。この法定代理人は通常なら親権者が担います。

 

しかし、例えば母親と未成年の子供の2人が相続人の場合、母親が代理人になれば単独で全ての相続財産を母親がコントロールして独占してしまうおそれもあります。

 

特に遺産分割協議をする場合、法律的には母親と子供の利益が対立してしまいます。そのため「特別代理人」と呼ばれる子供の代理人を選任する必要があり、この利益が対立した状態を保護する必要があります。選任の手続きは家庭裁判所に申し立てて進めます。

 

特別代理人は申立人(親等)が申立時に候補者を決め、相続人以外の親族から選ばれることがほとんどです。しかし、弁護士や司法書士等の法律の専門家に依頼しても構いません。

法定相続人を把握する方法は? 戸籍謄本を取り寄せて調べる

夫が亡くなった場合、法定相続人は妻である自分と子供しかいないと安心していても夫に離婚歴があれば、前妻との間に子供がいる可能性はあります。

 

前妻に相続権はありませんが、その子供は相続権を主張できます。そのため、法定相続人が誰かを確認することは大切です。

 

この場合、夫の出生~死亡までの戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)を収集し、法定相続人を把握します。戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)は故人の本籍地の市区町村役場で取得します。

 

申請者が直接窓口に出向き1通450円(除籍謄本や改製原戸籍は、1通750円)で取得できます。また、郵送で取得することも可能です。ただし、市区町村側から返送してもらうため、定額小為替・返信用封筒・切手代が必要です。郵送の場合は取得までに10日程度の日数がかかります。

法定相続分と異なる割合で相続するケースは? 遺産分割協議や遺言書について解説

法定相続分と異なる割合で相続財産を引き継がせたい場合は、被相続人が生前に遺言書を作成します。遺言書では法定相続人以外の人に引き継がせたり(例としては子供の他に孫へ財産を与える等)、相続人1人だけに全財産を引き継がせたりする内容も可能です。

 

しかし、他の相続人の遺留分(最低限の財産を受け取れる権利)を侵害する内容だと、後日、侵害された相続人が遺留分侵害額請求を行う場合があるので注意しましょう。

 

一方、遺言書が無くても相続人間で遺産分割協議を行い、法定相続分と異なる遺産分割の取り決めを行っても構いません。

 

相続手続きの際に各行政機関や金融機関等から遺産分割協議書の提出を要求されますので、相続人同士の合意が整った証明書として、遺産分割協議書を作成しておくことが重要です。

※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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