◆経常運転資金は余裕をもって保有する
たとえば経常運転資金が1億円と算出されたとしても、1億円だけ手元にあればいいというわけではありません。必ずそれ以上はもつようにしてください。現金を経常運転資金の何倍もっておくのかなどは、自社で決めるとよいでしょう。
ちなみに、3ヵ月分の売上と同じぐらいの運転資金をもっておくと、災害や何かが起きたときにも安心です!
◆自社に必要な経常運転資金を算出する
まれに、経常運転資金の5倍の現金をもっているという企業があります。5倍もあればとても安心して企業経営ができそうですが、もしそのために必要以上に借金をしているなら本末転倒です。
私も常に「現金は最低いくらもっておけばよいのか?」という漠然とした不安がありました。それを理論に基づいて、理解しておきたかったのです。
今は、決算書を見てすぐに「お化けはいくら?」「ラッキーアイテムは?」とパパッとチェックして、1.5倍~2倍の現金があれば大丈夫と計算しています。決算書が一つひとつ理解できていくと、漠然とした不安が一つひとつなくなっていきます。
経営者の方々の不安を一つでも安心に変えることができたらうれしいです。
松本めぐみ
松本興産株式会社
取締役
情報イノベーション専門職大学
客員教授