(※写真はイメージです/PIXTA)

所得から引かれるのは所得税だけではありません。正確な手取り金額を把握するためには、所得から引かれる所得税以外の項目を把握し、最終的な手取り額がどれくらいになるのかシミュレーションしておくことが大切です。本稿では、資産運用・税金対策を専門とするネイチャーグループが、所得から引かれる所得税以外の項目の解説とシミュレーションを行います。

こんなにある…所得から引かれる「所得税以外」の項目

所得から引かれるのは所得税のほか、住民税や厚生年金保険料、健康保険料・介護保険料、雇用保険料などもあります。

 

「想定していたよりも手残り金額が少なくなって困った」という事態に陥らないためにも、どのような項目が引かれるのかを把握しておくことが大切です。

 

所得から引かれる所得税以外の項目を詳しく見ていきましょう。

 

■住民税

住民税とは、1月1日時点の住所地の自治体に対して納める税金です。住民税は、所得割と均等割に分かれています。所得割と均等割の違いは以下の通りです。

 

●所得割:前年1月1日~12月31日の所得に対して一律10%

●均等割:5,000円

 

上記はあくまでも一例で、自治体ごとに設定が異なります。気になる方は居住地の自治体に確認してみましょう。

 

■厚生年金保険料

厚生年金保険とは、厚生年金に加入している会社に勤務している70歳未満の従業員などが入る公的年金です。保険料は従業員と会社で折半され、従業員の負担分については給与から天引きされます。

 

厚生年金保険料の負担額は標準報酬月額と標準賞与額を基準としているため、給与と賞与の金額が大きくなると負担も大きくなるということを覚えておきましょう。

 

■健康保険料・介護保険料

健康保険とは、医療費を一部負担するために加入する公的医療保険です。保険料は会社と従業員で負担します。従業員の負担分は標準報酬月額に健康保険料率をかけて算出します。

 

標準報酬月額とは、基本給、役職手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当などの労働の対償として、事業所から支給されるものです。年4回に分けて支給される賞与も標準報酬月額の対象となる報酬に含まれます。特に所得税が非課税となる傾向にある通勤手当が、健康保険料等の計算の対象になることに、驚かれる方も多いのではないでしょうか(※次項のシミュレーションでは、給与を標準報酬月額として計算します)。

 

介護保険とは、40歳以上の加入が義務付けられている高齢者の介護を社会全体で支える制度です。保険料は標準報酬月額に介護保険料率をかけて算出します。

 

どちらも給与が基準なので、金額が大きくなると負担も大きくなります。

 

■雇用保険料

雇用保険とは、仕事を失った場合の失業給付金や育児休業給付金などを受けることができる公的保険です。会社と従業員で負担し、従業員の負担分は賃金総額に雇用保険料率をかけて算出します。

 

賃金総額とは、基本給、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当、賞与などの総額です。役職手当は賃金総額に含まれていないなど、社会保険料を算出する際の標準報酬月額に含まれるものとは一部異なります。所得が増えた場合には負担が大きくなるほか、業種によって保険料率が異なる点に注意してください。

ケース別の手残り金額

手残り金額を知りたいと考えている一方、所得税や他の項目の計算が面倒と考えている方も多いと思います。そこで、会社員と個人事業主の2つのケースで、手取りがいくらになるか計算シミュレーションを行いました。

 

ただし、所得から差し引かれる金額は人によって違うため、あくまでも以下の計算は一例とお考えください。

 

■会社員の場合(図表1)

今回の計算シミュレーションで使用する条件は、以下の通りです。

 

●配偶者、扶養親族なしの独身者

●介護保険料あり

●所得控除は基礎控除・社会保険料控除のみ

●健康保険料・厚生年金保険料は東京都の金額を使用

●雇用保険については、令和4年10月1日~令和5年3月31日の労働者負担率0.5%にて計算

●一万円未満切り捨て

●復興特別所得税については未考慮

 

[図表1]会社員の場合

 

所得が1,000万円を超えてくると、所得に占める手残り金額の割合が6割程度になります。5,000万円では5割程度と、富裕層ほど手残り金額の割合が小さくなることがわかります。

 

■個人事業主の場合(図表2)

今回の計算シミュレーションで使用する条件は、以下の通りです。

 

●配偶者、扶養親族なしの独身者

●介護保険料あり

●所得控除は基礎控除・社会保険料控除のみ

●青色申告適用(65万円控除)

●国民健康保険料・国民年金保険料は東京都(中央区)の金額を使用

●個人事業税は加味していない

●一万円未満は切り捨て

●復興特別所得税については未考慮

 

[図表2]個人事業主の場合

 

会社員・個人事業主ともに富裕層に対する課税が大きいため、手残りを少しでも増やすには税額控除をうまく利用した税金対策を取り入れるのも選択肢の1つと言えるでしょう。

まとめ

所得から引かれるのは所得税だけではありません。住民税や厚生年金保険料、健康保険料・介護保険料、雇用保険料なども引かれるため、最終的な手残り金額がどのくらいになるのか把握しておくことも大切です。

 

計算シミュレーション結果では、富裕層ほど所得に占める手残り金額の割合が小さいことがわかりました。手残りを増やすには、税額控除や所得控除、経費といった様々な角度からの税金対策が有用です。

 

次回は、『【早見表】年収別の所得税』について詳しく解説します。

 

 

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