倒産企業数が3年ぶり増加、中小企業の「アフターコロナ倒産」が続出する日本の「根本原因」【有識者が延命術を提案】

倒産企業数が3年ぶり増加、中小企業の「アフターコロナ倒産」が続出する日本の「根本原因」【有識者が延命術を提案】
(※写真はイメージです/PIXTA)

2022年度における、全国企業倒産6,880件の約半数は中小企業が占めており(株式会社東京商工リサーチの調査によるもの)、全体の倒産件数は3年ぶりに前年度を上回りました。なぜアフターコロナに向かうなか、倒産件数が増えたのでしょうか? これは、新型コロナウイルス禍で売り上げが減った企業に向けて実施した、政府系金融機関が実質無利子・無担保で融資する「ゼロゼロ融資」の返済がスタートし、中小企業の負担が増えたためだと見られています。そこで知っておきたいのが、入札市場の存在です。
入札とは、国や地方公共団体などの行政・公共機関から民間企業へと発注される業務、及びその一連のことで、安定的に収益を得るのに役立ちます。本記事では、入札市場への参入を検討している方、参入してみたもののまだ十分な成果が出ていない方に向け、落札の可能性をどのように高めていくべきか? 効率のよい入札市場での立ち回り方を、有識者の杉山純一氏が解説していきます。

中小企業が入札市場を活用して、新規受注を獲得するために必要な戦略とは?

「戦略とは戦うことを略すること」という言葉のように、入札では、いかに競合他社が入り込んでこない案件を見つけ、そのなかでもどこに参加をするか見極めることが重要です。しかし、競合他社が少ない案件を見つけるのは容易ではありません。

 

入札情報を探す際には、発注機関のWebサイトから探すことが一般的です。中央省庁や有名自治体など、知名度がある発注機関の案件は検索する人も多く、必然的に多くの競合他社が参入することになります。

 

一方で、知名度の低い発注機関には、そもそもその発注機関のWebサイトにたどり着く企業自体が多くありません。そのため、知名度の低い発注機関を知っていれば、その発注機関の案件を知っている企業が少なく、競争率が低くなる傾向にあります。

 

[図表1]案件の競争率のイメージ図
 

例えば、以下に挙げる機関をご存じでしょうか。

 

・自動車技術総合機構(東京都)

・日本学術振興会(JSPS)(東京都)

・交通安全環境研究所(東京都)

・電子航法研究所(ENRI)(東京都)

・農業者年金基金(東京都)

・港湾空港技術研究所(PARI)(神奈川県)

・放射線医学総合研究所(NIRS)(千葉県)

 

これらの機関を「すべて知っている」という方は、多くはないでしょう。こうした知名度が高くない発注機関をリスト化し、定期的にそのWebサイトをチェックすることで、競合が少ない案件に参入できる可能性は高くなります。1日平均5,000件もの入札案件が公示されるなかで競争率の低い入札情報を得るには、より多くの機関の情報に対してアンテナを張っておくことが大切です。

一般競争入札方式の価格競争に勝つためにやるべきこと

入札案件のなかでも多くを占めるのが一般競争入札の方式です。一般競争入札の場合は、納品物について一定の品質が保証される前提で、価格での競争になることが少なくありません。そのため入札時には、発注機関に提出する見積金額が落札の成否を決める最大のポイントとなります。

 

しかし、官公庁や地方自治体と、民間企業の取引における価格相場はそれぞれ異なります。そこで、入札市場における過去類似案件の落札額を参考にしつつ、価格相場を掴むことが重要です。

 

[図表2]過去の類似案件落札額の参考イメージ

 

図表3は、入札情報速報サービスNJSSに「開発評価管制支援処理システムハードウェア保守」というキーワードを入力して公示されている案件を検索した画像です。この画像からは、国土交通省が同一名称の案件を毎年度、公示していることがわかります。

 

[図表3]入札情報速報サービスNJSSにおける「開発評価管制支援処理システムハードウェア保守」案件例

 

こうした入札情報サービスを活用し、同案件の過去の落札金額をチェックすることで、今年度の落札金額が予想できるようになります。予想落札額よりも少し下げた額で見積額を発注機関に提出すれば、競合他社と比べると見積額が安くなり、落札できる可能性は高まると言えます。

 

一方で、この見積額が自社にとって利益を確保できない額であれば、同案件には手を出さないという判断が賢明です。なお、年度によって案件の要求仕様が全く同じである保証はないので、過去の案件を参照する場合には、その点も注意して見ておきましょう。

入札市場で落札するために、過去3年間の落札企業名をチェック

また、金額だけでなく同案件の過去3年間の落札企業名をチェックすることもおすすめです。例えば、受託系の案件を例に見てみましょう。

 

(例1)

3年前 A社 600万円

2年前 A社 550万円

1年前 A社 500万円

 

A社が初めてこの案件を落札した3年前は、600万円での受託でした。その後、同案件の落札金額が徐々に下がってきているのは、A社にノウハウと経験が蓄積され、業務効率化も進んだためと推察することができます。こうした場合、他社が利益を確保できる金額での落札は難易度が高く、入札は難しいと判断します。

 

違う案件の例も見てみましょう。

 

(例2)

3年前 A社 600万円

2年前 B社 590万円

1年前 A社 600万円

 

この案件の場合は、落札した企業が1つの会社に固定されておらず、落札の判断基準が明確になっていない可能性があるため、新規参入の企業でも落札できるチャンスが高いと判断できます。

 

なお、発注機関のWebサイトに掲載されている過去の落札情報は、一定期間を過ぎると削除されてしまいます。定期的に狙っている発注機関のWebサイトの落札情報はできるだけ手元に記録を残しておき、いつでも過去の情報を見直せるようにしておくことで、落札の可能性を高めることに繋がります。

 

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