(写真はイメージです/PIXTA)

世界12市場の成人消費者25歳から55歳を対象にした、米国・調査・教育機関リムラによる調査では、コロナ禍を経て、相談できる金融アドバイザーの有無の状況、金融アドバイザー、生保募集人への信頼度について触れています。また日本は世界の状況とは大きく異なっていることも示されています。ニッセイ基礎研究所の有村寛氏による解説です。

1―はじめに

米国における生保・年金のマーケティングに関する代表的な調査・教育機関であるリムラが、世界12市場の成人消費者25歳から55歳を対象にオンラインで調査した結果を公表しており*1、これまで、生保加入率、生保加入にあたってのインターネット利用についての国際比較について紹介した*2

 

同調査レポートでは、コロナ禍を経て、相談できる金融アドバイザーの有無の状況、金融アドバイザー、生保募集人への信頼度についても触れられており、日本は世界の状況とは大きく異なっていることが示されている。ここでは、その概要につき、紹介したい。

 

*1:LIMRA「Global Consumer Pulse」2022年9月19日。当調査は、2022年の初頭に、世界12の市場の25~55歳の成人消費者を対象に、オンラインで行われたものである。12市場ならびに各市場における回答者数はつぎの通り。中国 2562、インド2577、マレーシア1563、タイ1581、香港1263、台湾1554、シンガポール1261、韓国1271、日本2567、フランス1562、イギリス1584、ブラジル1560。

*2:小著「世界の消費者はどの位の割合で生命保険に加入しているのか-生保加入率の国際比較-」『保険・年金フォーカス』(2022年11月22日)、「世界の消費者は生保加入にあたりインターネットをどう利用するのか-インターネット利用状況の国際比較-」『保険・年金フォーカス』(2022年12月23日)

2―相談できる金融アドバイザーの有無等についての国際比較

【図表1】は、上記12市場に米国*3を加えた13市場において、相談できる金融アドバイザーがいるかどうかについての調査結果である(2020年、2022年調査)。

 

ほとんどの市場では、コロナ禍を経て、経済環境も悪化する中、保険、投資、貯蓄について定期的にアドバイスを求めて相談する金融アドバイザーを持つ人の割合が増加した。中でも、マレーシア、タイ、台湾の増加は著しい。

 

また、インド、シンガポールでは、過半数(2022年でそれぞれ66%、59%)が相談できるアドバイザーを現在持っており、現在アドバイザーがいない人でも、図表にはないが、うち約半数近く(それぞれ19%、22%)は、アドバイザーを探しているところ、と回答している。

 

日本は、調査対象の市場の中では、金融アドバイザーを持つ人の割合が最も低く、また、図表にはないが、7割近くの人(66%)が金融アドバイザーは不要、と回答している。

 

【図表1】
【図表1】

 

一方、【図表2】は、【図表1】中、相談できる金融アドバイザーを持つ人のうち、「自分の金融アドバイザーは信用できる」と回答した人の割合である。ここからは、相談できる金融アドバイザーがいる人の間では、金融アドバイザーへの信頼度は高い事を示しているといえよう。前述の通り「金融アドバイザーは不要」、と考えている人が多い日本においても、金融アドバイザーがいる人の間では、「信用できる」、と回答した人が75%を占めている。ただし、それでもその他の市場と比較すると、最も低い割合となっている。

 

【図表2】
【図表2】

 

*3:米国の状況については、LIMRA and Life Happens「Insurance Barometer 2020,2022」に基づいたものである。

 

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次ページ3―生命保険募集人に対する信頼度についての国際比較

※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年2月8日に公開したレポートを転載したものです。

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