(※画像はイメージです/PIXTA)

受験生にとって模試は模試で、単なる通過点であり、本番ではありません。結果に振り回されず、その模試を本番に生かすことを意識的に考えるべきです。塾なしで長男を志望校に入学させた塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)で解説します。

子どもも親も、模試の結果に一喜一憂しない

第一志望の都立高は、12月の都立向け模試の結果を踏まえて、都立国立高校に決定しました。12月の模試で、もし学力が伸びていなかったら、別の自校作成問題の都立高校にすることも考えていました。息子は、併願優遇という保険がなかったため、どうしても不安がある場合は、都立は偏差値を下げて受験校を選ぶことも視野に入れ準備をしていたのです。

 

最後のこの決定をする際に役立ったのが、累積順位でした。自分の第一志望校を同様に第一志望とする受験生(ライバル)の中での順位です。その模試を受けた受験生という条件はありますが、受験生何人中何位と出るので、受験者が多ければ、入試に近い状況である可能性があります。

 

ここ数年、都立国立高校の入試受験者数は200人ほどです。12月の模試で同じく国立高校を第一志望にしていた受験者は180人弱でした。

 

この模試結果の累積順位を参考にして、自分がボーダーラインからどのあたりにいるのかを予測しました。模試結果が届いたのは、12月20日頃。タイムリミットぎりぎりで、息子はこの結果を見て、自分で第一志望を選択したのです。

 

都立高校に関していえば、同じ学力レベルの受験生が多く受験します。実力の近い同級生のライバルの中で、自分がどのあたりの位置にいるのか、少し予測できることは、志望校決めにはプラスの材料でした。

 

最後に模試については、大切なことがもうひとつ。それは、子どもも親も、結果に一喜一憂しないこと。模試は模試で、単なる通過点であり、本番ではありません。ゴールに向かって修正をするために受験していることを、常に忘れないようにしましょう。

 

 

特に、結果(判定)が悪かったときの、親子のやりとりは大切。判定よりも、どこをどのように間違えたのか、その分析と復習がポイントになります。

 

結果が悪かったときこそ、チャンスと捉え、「どこが悪かったのか?」「なぜ悪かったのか?」、そして、どうしたら本番につなげられるかを意識して、前向きな会話を心がけてください。

 

同じようなミスを繰り返したときは、気をつけるように注意をしました。伸びた部分、修正できた部分などを褒めながら、うまくモチベーションを上げていくようにしましょう。

 

模試の結果が悪いと機嫌が悪くなった息子に、私は、

 

「本番でなくてよかったね。今、間違えてラッキー。入試で挽回できる」と、いつも声をかけました。悔しさや、ネガティブな気持ちを勉強に向かわせる言葉選びをしましょう。

 

できなかった悔しさ、不安を勉強に向かわせる。

 

今できなくても、入試当日に力を出して合格できればよいのです。くやしい気持ち、自分はダメだというネガティブな気持ちや不安を、勉強に向かわせてあげられるのも親である私たちの言葉次第。大人になってもそうですが、失敗から学べることはたくさんあります。

 

受験生にとって、模試は模試。所詮、模試なのですから、結果に振り回されず、その模試を本番に生かすことを意識的に考えましょう。模試で大切なのは、結果ではなく、その結果を招いた中身だということを、特に親は肝に銘じて、一喜一憂することなく、受験生を支えられるといいですね。

ワンポイントアドバイス
模試は結果から学ぶためのもの。

 

塚松美穂
ライター・教育アドバイザー
学習支援コーディネーター

 

 

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※本連載は塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「塾なし」高校受験のススメ

「塾なし」高校受験のススメ

塚松 美穂

プレジデント社

たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、学習塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑…

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