今回は、顧客が「一見さん」ばかりの不動産会社に警戒すべき理由を見ていきます。本連載は、株式会社ハウジングサクセスの代表取締役・金子徳公氏の書籍『我が家を売る時も買う時も絶対に損しない方法』(現代書林)の中から一部を抜粋し、不動産業界の衝撃の裏側をご紹介します。

「悪巧み」を働いた会社にお客さんは二度と来ない

不動産の売却を終えた後、しばらくしてAさんはその話を何気なく不動産に詳しい人にしました。すると「えっ、4300万円で売った? あのマンションなら4500万円で余裕で売れたんじゃないか? 4300万円はちょっと安すぎないか?」という反応。気になって調べてみると、確かに同じマンションの似たような間取りの別の部屋はもっと高い値段で売れています。

 

「B社にだまされたのかな?」とがっかりするAさん。「もう次は絶対にB社とは取引するものか」と思ってしまうのは当然のことでしょう。

 

お客様にはわからないように、上手に「悪巧み」を働いたつもりでも、やっぱり最後はどこかでバレてしまう、あるいはお客様に不信感を抱かれてしまうものです。だから大手不動産業者はほとんどが「一見さん」が相手です。

 

だって一度取引をしたお客様はリピートしないから。でも大手は宣伝広告力にものをいわせて、集客力があります。Aさんが怒って愛想をつかされたとしても、次のお客様であるEさん、Fさんを相手にすればいいわけです。

 

そもそも、不動産屋とやり取りするのは、特に売買が絡む場合、人生でそう何度もあることではありません。多くの人は人生で1回だけです。「リピート買い」のない世界なのです。これが、大手が成り立っている理由です。

リピート客が来ない不動産会社のサービスは向上しない

もしこれが「リピート客」をメインに商売をしている業界だったらどうでしょう。たとえば地元の商店街の八百屋さん、パン屋さん。あるいは花屋さんでもいいでしょう。それらのお店で買った地元のお客様が満足できなかった、あるいは不快な目にあったらどうなるでしょうか。

 

「あそこの八百屋は野菜が古いよ。じゃがいもを買ったら中が全部腐っていた」

「あのパン屋は美味しくないうえに、昨日の売れ残りを値引きもせずに売っている」

「そこの花屋はとてもじゃないけど高くて買えない。あっちの角の花屋の倍の値段だ」

 

こんな「口コミ」が広がって、商売にならないでしょう。だからどのお店も地元のお客様を大事にするし、至らない点があれば、改善しようと努力します。「お客様をだまして高く売りつけよう」なんて商売をしていたらすぐにつぶれてしまいます。

 

でも不動産会社は違います。1回売って、そのお客様が逃げたとしても、また大掛かりな宣伝広告を打って、次のお客様をつかまえてくればいいのです。しかしそういう考えをしていたら、いつまでもサービスは向上するはずがありません。

本連載は、2016年7月18日刊行の書籍『我が家を売る時も買う時も絶対に損しない方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

我が家を売る時も買う時も 絶対損しない方法

我が家を売る時も買う時も 絶対損しない方法

金子 徳公

現代書林

残念ながら今の不動産業界は「ウソ」や「ごまかし」が横行しています。目先の売り上げしか考えておらず、お客様に顔が向いていない営業マンがたくさん存在するのです。何故そうなるのでしょうか? それは、「不動産業界にはリ…

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