今回は、2日目に行われた第7セッションのテーマ「債券投資」についてお伝えします。 ※本連載は2016年7月に香港にて開催された、香港の新しい金融機関ニッポン・ウェルス(NWB:Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank)主催による「第2回投資フォーラム」についてお伝えをしています。

香港では米国で流通する債券への投資が可能なことも

投資フォーラム2日目も、朝早くから多くの参加者が会場に集まった。

 

 

冒頭の第7セッションにはNWB営業副部長・吉岡甲子郎氏が登壇し、債券投資の基礎知識をテーマに講演を行った。その中では、オランダ水道管理機関が1648年に発行した無期債券(永久債)をアメリカのイェール大学が2002年に取得し、発行から約370年が経過した2015年に利子の支払いを求めたという、興味深いエピソードなども披露された。

 

同氏はまず債券の分類として、発行体の違いや発行通貨(自国通貨建て・外貨建て)、利払い方式、利率の決め方についてを解説。発行市場と流通市場という債券市場にも言及しつつ、日本・米国・ユーロ圏を比較した。そして日本では国債が90%を占めるが、社債の市場規模が小さく、証券化商品がほぼ存在しないことを指摘した。一方、米国では、社債や証券化商品の市場規模が大きく、商品の選択肢も多いとし、また香港では米国で流通している債券を入手できるとした。

 

日本では入手できない商品情報も多数紹介される

また国債についてはモンゴル国債を紹介。モンゴルは中国・ロシアとのみ国境を接しており、特に中国との関係が深く、同国の輸出の90%以上、輸入では30%以上が対中貿易によるという。

 

そのモンゴルでは、6月28日の議会選挙で最大野党が圧勝し、首相も落選したという結果を踏まえて「外国人投資家たちは選挙結果を見守るスタンスをとっていたが、今後は課題である経済と財政再建への新政権の対応が注目される」と語った。同国では2017~2018年に計21億ドル相当の外貨建て債務が償還期限を控え、返済不能を巡って憶測を呼んでいるが、新規の国債発行も順調に消化されており、利回りの高さもあって、注目が集まっている。

 

その他にも社債や劣後債に関して、NWBが取り扱っている商品を中心に詳しい解説がなされた。日本では手に入らない商品情報も多く盛り込まれており、熱心にメモを取る参加者の姿が目立った。

 

次回は第8セッションと第9セッションの模様をお伝えします。

当記事の記載内容は情報の提供および学習を目的としたものであり、運用は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。また、当記事に基づいて運用した場合の投資結果については、NWBおよび幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。

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