コロナショックは健全経営されていた会社ほど経営インパクトを受けやすい。(※写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナの感染拡大はホテルや一部の商業施設を除いて、市況の回復が見られるのではないかといいます。今後、国内不動産市場にどのような影響が予想されるのか、国際投資アナリストが著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版、2021年4月刊)で解説します。

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オフィス需要は相対的に減退していく?

■日本国内不動産市場の今後の流れ

 

日本の伝統業種の中でも、多くの投資を受けているセクターの1つである不動産市場。1980年代のバブル経済の大きな要因の1つは不動産市場であったともいわれ、その後の不動産価格が、他先進国と異なり、思い通りに回復していなかったが、2000年以降の不良債権処理後、リーマンショックなどの危機時を除いては成長しており、約46.5兆円(2019年の法人企業統計)の市場が日本全体の経済に与える影響は大きい、わけです。

 

その不動産市場も去る新型コロナの影響から、大きなシフトを受けるのではないかと見られています。分かりやすい例としては、日本を含めた世界中で見られていた、地方から都市への移住と仕事が都市に集中するといった、都市化(Urbanization)の流れは、コロナ禍において、一旦休止という状態になると思います。

 

また30ー40代など所謂ミレニアム世代やその後の世代(GenY やGenZ)も仕事や収入を得ることで増えていたツーリズムも、コロナ禍において、一か国のみならず、多国間での協調で公共衛生の改善がなされるまで、大きな変化は見られにくい、と考えます。

 

このセクションでは、不動産市場のサブセクターと呼ばれるグループに関してコロナ禍、そして今後の流れについて、少しずつ解説していきます。簡単な結論としては、ホテルや一部の商業施設を除いて、バブル崩壊後のように、不動産市場の価格が大きく沈み、回復が見られないという状況にはなりにくく、逆に待機資金も多いことから、市況の回復が見られるのでは、と考えています。

 

■オフィス

 

まず東京都心のオフィス需要は、企業のテレワークシフトにより、相対的に需要が減退していくのでは、と考えています。その流れは伝統的な日系企業ほど顕著で、富士通や東芝など、テレワークシフトとそれに伴う一部オフィス退去という流れが証左かと思います。

 

一方で、コロナ対応として大きく取り入れられたテレワークが浸透していく中で、テレワークのみでカバーできないと考える会社もあるようで、またテレワークで一部の生産性が下がっているとも見られています。従って、すべてのオフィス減少になるわけではないでしょうし、またオフィスの契約形態は、数年前からの契約となっている場合も多く、すぐに賃料下落とはならないものの、中長期的には一定程度の賃料低下、もしくは空室率上昇がみられるでしょう。

 

一方で賃料下落となれば、新規テナントの入居も一定程度あるでしょうし、そしてテレワーカーのみならず、個人事業主で仕事をする、所謂ギグワーカーにとっても、家ではない、コワーキングスペースのニーズもある程度存在すると思われます。

 

全体的な大暴落はすぐには無いかと思いますし、また空室率上昇や賃料減少により2020年から数年間は下方曲線となるかもしれませんが、コロナ感染拡大の対応ができてくることで、また徐々に回復すると考えています。実際に、コロナ禍において一旦値段が下がった際(2020年4ー6月ごろ)に、大手投資家(不動産ファンド、保険会社や不動産会社)による売買が見られ始めたようです。色んな売却理由(資金回収、資産の組み入れ直し等)あると思いますが、一等地の商業・オフィス物件(銀座や八重洲)なども売買されているようです。

 

同時に、混雑の通勤電車を通じたコロナ感染を防ぐため、またテレワークだけでは培えない人との繋がりの場を取り戻すため、今後は週1ー2日程度の通勤なり、郊外型サテライトオフィスと都市型オフィスの2拠点型もありえるのかな、と思いますし、そうなると住宅地近くにいくつかオフィスを作り、中小のオフィス分散が進むのでは(TKP/Regus やWeWork等)?と思ってはおります。

 

次ページ東京、首都圏郊外の住宅需要は今後も盤石

※本連載は、後藤康之氏の著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版、2021年4月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

最強の外資系資産運用術

最強の外資系資産運用術

後藤 康之

日本橋出版

日本の高齢化や年金2000万円問題を背景に、コロナ禍前から注目されていた『資産寿命』というテーマ。 加えて2020年の新型コロナという世界中に影響を与える大きな変化が起こったことで、個人レベルでの『資産寿命』を延ばす…

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