フィッチが予測するシンガポールカジノの将来性

シンガポールのカジノは今後、高まる地域間競争や、成長と収益を圧迫するカジノ政策の潜在的変化に直面するだろうと、分析を行った、大手信用格付け機関フィッチ(Fitch Ratings)が2014年に公表したレポートをご紹介いたします。

アジアで広がるカジノ競争

「規制や競争のリスクがシンガポールのカジノを圧迫(Regulatory, Competition Risk Weigh on Singapore Casinos)」と題して、2014年10月30日に公表されたレポートでは、シンガポールの賭博による収益成長率は失速を続けており、中国のマクロ経済および政治的要因が主な原因となって、2014年ではわずかに縮小する見込みとのことです。中国における経済成長の低下や、汚職取り締まり、金融引締め政策は、シンガポールのカジノに特に強い影響を与えたと分析しています。主に中国人のVIPを対象としたビジネスは、シンガポールの2大統合型リゾートカジノであるMarina Bay Sands (MBS) とResorts World Sentosa (RWS)の賭博収益の約半分を占めているそうです。
 
FitchはVIPの人数が2015年後半には回復することを予想しており、また中国内での規制強化は一時的なものであると主張しています。しかし、中国の経済回復を活用しようとするシンガポールの賭博市場は、フィリピン、マカオ、(そして潜在的には日本)にできる新しいカジノとの地域間競争のあおりを受け、長期的には厳しいものになると記事は予想しています。
 
フィリピンは2014年末までに3つの大規模なカジノリゾートが完成予定で、マカオでは主要な新しいカジノプロジェクトが建設中です。カジノを合法化するための政治的な勢いが日本でこれまでになく盛り上がっており、またスリランカ、ベトナム、カンボジア、韓国、ロシア、オーストラリアは2020年までに新しいカジノを開く予定だそうです。
 
地域間競争に加えて、規制リスクも、シンガポールのカジノへの課題となりえると記事は伝えています。2006年に初めて賭博ライセンスを付与して以来、シンガポールは入場料としてSGD100をシンガポール市民や永住者に科したり、カジノの広告やプロモーションを制限したりと、カジノの拡大を規制しているそうです。
 
シンガポールは、少なくとも2022年まで賭博課税を続けると法で決めていますが、寡占状態が終わる2017年以降に追加のライセンスを付与することを政府が検討しているため、税率が変わる可能性があるとこのことです。現状では、これ以上賭博ライセンスが付与される可能性は低そうとしつつ、それがシンガポールの既存のカジノにとっては潜在的なリスクとなっており、地域間競争が厳しくなるにも関わらず、カジノ市場は新規参入者を惹きつけ続けているとしています。

この記事はフィッチ(Fitch Ratings)が公表した2014年10月30日付けのレポートから引用したものです。

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GTAC(ジータック)とは、株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/(写真は代表取締役の山下征孝)

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