実際に弱いかどうかより、「弱く見える」ことが問題
新規開業する場合は、周辺の競合となるクリニックの規模や集患力も、インターネット上の情報を中心に必ずチェックします。そして「弱い」と判断されれば、近くに開院されやすくなります。
仮に、同じ地域に強いと判断されたAクリニックと、弱いと判断されたBクリニックがあるとしましょう。
AクリニックとBクリニックどちらの近くに新規開業されやすいかといえば、当然「弱い」と判断されたBクリニックです。
ここで留意すべきは、実際に弱いかどうかではなく、「弱いと判断された」ということです。競合を近づけないためには、できるだけ強く見えたほうが好都合ということです。それらを知っておき、自分のクリニックに足りない部分があれば補うべきでしょう。
こんなクリニックが「弱小認定」される…対策は?
他のクリニックから「弱い」と判断されてしまうクリニックの特徴と、その対応策をまとめます。
①通りがかりの人が少ない立地、認知されにくい外観
クリニックの前にどれくらいの人数が通りがかるのか、また、看板や外観がどの程度認知されやすいかが目安になります。前を通りがかる人数が少なく、看板や外観が目立たなければ「弱い」と判断されます。
予防策は移転ぐらいしかありませんが、すぐにできることではありません。
②ウェブサイトのクオリティが低い、ネット上での検索順位が低い
インターネットが社会インフラとなった現在、クリニックのウェブサイトのクオリティや、「地域名+科目名」で上位表示されているかなどの「ネット力の有無」も評価対象になります。
ウェブサイトの質は、サイト内のコンテンツのほか、デザイン、使いやすさなども重要です。
クリニックを探す際に使われる「地域名+科目名」等のキーワードで上位表示されているかもチェックポイントです。また、Googleの自然検索の順位だけでなくGoogleマップでの順位も指標になります。
もしネット力をつけたいなら、院長自身がインターネット上のサイトで勉強する、書籍を読むなどして基礎知識を身につけてから、いまのウェブサイト管理会社に相談する、あるいは新たなウェブサイト作成会社に相談するなどします。
③院長が70歳以上の高齢者
会社勤めであれば退職している70歳以上の年齢であれば、将来的には体力も衰え閉院する可能性が高くなるため、競合ができやすいといえます。子どもや親族に後継者がいるかどうかもポイントになります。
予防策としては、後継者がいなければ、ウェブサイト上に第三者継承を検討している旨を掲載していくなどがあります。
④地域の家賃が安い
その地域の家賃も関係しており、一般的には安い家賃のほうが開業しやすいでしょう。
これも①と同様、対応できることはありません。
④調剤薬局が近い
調剤薬局が処方せんをより多く受けるために、クリニックを誘致することがあります。近隣に処方せん枚数の少ない調剤薬局があると、近くにクリニックができやすいといえます。
これも①④と同様、対応できることはありません。
即効性があり費用対効果を発揮するのがネット力を上げること、つまりウェブサイトの質をよくして、「地域名+科目名」などのキーワードで上位表示されることです。
クリニック経営においてぜひ参考にしてみてください。
蓮池 林太郎
新宿駅前クリニック 院長
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