(※画像はイメージです/PIXTA)

繁盛しているクリニックのそばにあえて開院する経営者は少ないと思いますが、競合から「弱そう」と思われると、近隣に開院されて収益が減るなど悪影響を受けてしまいます。なるべく競合を遠ざけ、収益を奪われないようにするには、どんな対応策があるのでしょうか。自身もクリニックを経営する医師であり、数多くのクリニックのコンサルティングを行ってきた蓮池林太郎氏が解説します。

「医療の需要>供給」のエリアは新規開院されやすい

最も重要なのが、その地域に開業する科目の需要と供給のバランスです。

 

需要とはその地域における総患者数、供給とはその地域におけるクリニック数が目安になるわけですが、需要が供給を上回っているほうが新規開業されやすいです。

 

その地域において医療の需要が供給を上回っている場合、1クリニック当たりの平均患者数が多い傾向にあります。

 

逆に、医療の需要が供給を下回っている場合、1クリニック当たりの平均患者数が少ない傾向にあります。

 

1クリニック当たりの平均患者数をどうやって調べるのか疑問を持つ人もいるかもしれませんが、医薬品卸会社が各クリニックの発行する処方せんの枚数を、調剤薬局経由で把握しているので、それをもとに推測するのです。製薬会社が営業先のクリニックを選ぶ際、この数字を参考にしています。

 

一般的に、需要が多ければクリニック数は多くなり、需要が少なければクリニック数も少なくなります。そのため「クリニック数が少ない=新規開業されやすい地域」とは一概にはいえません。

 

開業に当たっては、現在の状況だけでなく、人口動態や再開発の有無などの将来的な需要と供給の変化も確認します。再開発等で医療需要が増えることがわかっているなら、クリニック(医療モール含む)ができやすいともいえます。

 

開業志望の医師は、すでに自宅を購入ずみだったり、配偶者の仕事や子どもの学校の関係で引っ越ししにくい等の理由から、自宅近辺の通勤時間が短い地域に開業しがちです。

 

また、医師は人気エリアに住む傾向がありますが、東京都内でいえば、都心部は人口当たりの診療所数が多い激戦区です。東京都内であれば、都心から離れるほど人口当たりの診療所数が少なくなりますので、同じくらいの診療所数であれば、人気エリアに近い方が競合ができやすいといえるでしょう。

 

医療の需要と供給を変えることはなかなか難しく、予防策としてできることは少ないかもしれません。また、医療モールの計画が立ち上がると、周辺のクリニックから反対運動が起こることもあります。

 

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