「確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年このような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているのだ。申告相談に携わった元国税専門官が、節税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『元国税専門官が教える! 確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

不動産売却、買って4年後と5年後、とくなのは?

正解:「所有期間」が5年を超えると税率が約半分に

 

不動産を売却すると、多額の所得税や住民税がかかる可能性があります。動く金額が大きいだけに、しっかりと節税対策をしておきたいところです。

 

ここで重要になるのが、「税率を低くする」ということ。そのために理解しておきたいのが、「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」の違いです。

 

この違いの説明の前に、簡単に不動産を売ったときの所得計算について知っておく必要があります。

 

自宅売却で税率を低くするために理解しておきたいのは「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」の違いだという。(※写真はイメージです/PIXTA)
自宅売却で税率を低くするために理解しておきたいのは「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」の違いだという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

まずベースになるのが、不動産を売った代金などの「収入金額」です。ここから、その不動産を取得するのにかかった「取得費」と、売却するときにかかった「必要経費」を差し引くと、譲渡所得を算定することができます。

 

なお、建物の取得費については、購入した金額が全額取得費になるわけではありません。ここでは詳細な説明は省きますが、簡単にいえば、古い建物ほど、取得費にできる数値が減っていきます。

 

このようにして求めた所得に対して税率を掛けた金額が所得税や住民税になるのですが、このときに長期譲渡所得になるか、短期譲渡所得になるかで税率が変わってきます。両者の違いを見てください。

 

・売却した年の1月1日において資産の所有期間が5年を超えるもの→長期譲渡所得(所得税15%、住民税5%)
・売却した年の1月1日において資産の所有期間が5年以下のもの→短期譲渡所得(所得税30%、住民税9%)

 

なんと、短期譲渡所得と長期譲渡所得の違いだけで、税率が倍近くも変わってしまいます。極端な話、所得金額が2000万円だったとして、所有期間が5年であれば税負担は780万円、6年であれば400万円ですから、とても大きな差になります。

 

次ページ自宅売却は「少なくとも5年、できれば10年以上」
確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

小林 義崇

河出書房新社

クイズ形式で出題。ベスト・チョイスはどっちか? 青色申告or白色申告。開業届を出すor出さない。家族を雇うorパートを雇う。iDeCo or小規模企業共済。郵送で申告or e‐Tax。国税専門官として数多くの申告相談に携わった著者…

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