※本連載は、ファイナンシャルプランナーでTSPコンサルティング株式会社代表の佐藤毅史氏が、中小企業オーナーが自身の可処分所得を増やすためのノウハウを紹介します。今回は、中小企業オーナーが税金対策として「社宅制度」を活用すべき理由を見ていきます。

賢い企業オーナーは「社宅制度」を活用している

2000年11月に出版され大ベストセラーとなった、ロバート・キヨサキ著「金持ち父さん 貧乏父さん」には、「資産」と「負債」の違いについて、その定義が明確に示され、多くの読者の価値観を変えたといわれています。

 

『資産とは貴方のポケットにお金を入れてくれるもの、負債とは貴方のポケットからお金を奪っていくもの』

 

この定義に従えば、日本人の多くが所有することを憧れる(当然と思っている)「マイホーム」は負債であることは前回説明したとおりです。所有している間は、ひたすら租税公課(※)でお金が出ていく上に、修繕費等も当然にかかってくるわけです。

※租税公課…国税や地方税などの税金である「租税」と、国や公共団体などに対する交付金や会費などの公的な課金である「公課」を合わせた勘定科目。

 

しかし、企業オーナーという立場であれば、自分が住む家に関して「社宅制度」を活用することで、負債どころかメリットが生まれるケースがあります。どういうことか簡単に説明しましょう。

 

1.損金算入を考えて「社宅」を活用する

 

成功した経営者や芸能人のお宅訪問番組。いつ破綻するかもわからない成功者の、ともすれば悪趣味な世界をのぞき見したい/華やかな世界のきれいな一面を魅せたい、という視聴者、出演者、双方の欲望を満たすことからか、いつの時代もなくなることがありません(むしろ最近増えてませんか?)。

 

ただ、彼ら彼女らは、無駄に豪華なマンションや邸宅に住んでいるわけではないのです。確かに、虚栄や見栄で破滅する人も一定数居ますが、賢い企業オーナーは「社宅」として、これを活用しているのです。住宅手当等を考えつく人も多いのですが、「手当」では所得とみなされ、所得税の課税対象となってしまいます(税金・社会保険料が増えます)。

 

ざっくりとした説明になりますが、仮に会社から住宅手当が支給される形で、家賃30万円のタワーマンションに居住しようとする場合、会社は60万円の手当を出さないと住めないことになるのです(最高税率50%想定)。ところが、会社が該当する部屋を借りて役員に貸す手順(社宅)をとると、税法の計算に従って社宅扱いとして、家賃の50~80%近くを会社の経費として計上することができるのです

 

そうすると、先ほどの家賃30万円のお部屋に企業オーナーは実質6万円程度で住むことができるのです。会社員等の多くの人が、もらった給料からさまざまな支出(保険、家賃等)を捻出するために四苦八苦する一方、賢い企業オーナーは会社の経費を最大限に活用する方法を緻密に考え実践しているのです。

法人所有であれば、修繕費も「損金算入」可能に

2.購入も同じ。個人で自宅を所有しない、法人で所有する

 

前述したのは、「賃貸住宅として法人で借りたもの」を「社宅として企業オーナー個人に貸し出す」場合です。

 

では、購入する場合はどうするのでしょうか?

 

実は、購入も基本的には同じ方法になります。会社で役員が住む住戸(戸建、マンションどちらでもOK)を購入し、貸し出します。この時、役員から一定の賃料を徴収することで(必ず賃料を一部負担します。少なすぎると追加の所得とみなされ、課税される可能性があります)、かなり安い個人負担で相応の住宅に住むことができます。

 

そして、会社は購入に要したさまざまな諸経費(印紙税、不動産取得税、免許税等)を損金として扱うことが可能になります。さらに所有している間も、毎年の固定資産税や、建物価値の下落による減価償却費、節目節目で行うべき修繕費等も、損金算入することができるのです。

 

個人で持家を取得した場合、いくら税金を払っても1円の経費にもなりませんし、せいぜい期待できるのは、10年間の住宅ローン減税程度でしょうか。ただし、これも借入残の1%と限定的です。だからこそ、企業オーナーは「経費化できるものは徹底的に経費にすること」に徹するべきなのです。

 

多くの人が誤解しているのが住宅についての考え方ではないでしょうか。住宅購入に際しての優先順位として、勤務地やターミナル駅へのアクセスのよさや、駅徒歩距離という要素を考えがちです。多額のローンを組み、多少高い税金を払ってでも住みたい……と。しかし、それは普通の考え方(貧乏父さん)でしかありません。

 

さらに進んで、その住居をどのように借りて、どのように処遇するのかを考えるのが賢い企業オーナーの思考(金持ち父さん)なのです。

 

払う税金や修繕費等が、ただ支出として出ていくだけなのか。それとも、経費として計上し、手元に残るお金に変化するのか。

 

あなたの今のお住まいは、どちらですか?

 

 

佐藤 毅史

TSPコンサルティング株式会社・代表/ファイナンシャルプランナー

 

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