海外への出稼ぎが多い一方、国内労働力が不足するスリランカ

人口比で見た場合、年間海外出稼ぎ者がアジアで一番多いとも言われているスリランカ。その一方で、国内の労働力を確保するのに大変な苦労が伴っています。この課題に対し、スリランカはどのような道を歩むべきでしょうか。

収穫期に活躍する南インドからの季節労働者

うだるような暑さで溶けた舗装路は通常の道路よりもゴムがくっつきやすく、車のタイヤによる擦れ音もより大きく聞こえる。そして、高速道路の片側に見える日陰のない景色は、雨季前に収穫されることを待たんばかりの田んぼで敷き詰められている。

 

スリランカ東部にあるアンパーラ県では、大半の稲は機械で収穫される。機械で収穫されようと昔ながらに鎌で刈られようと、暑い時期の収穫作業は重労働だ。コンバイン収穫機を使う場合、スキルがある労働者が求められる。これは人口が少ないスリランカ東部では問題となる。やがてモンスーンが訪れ、景色を一変しまうだろう。モンスーンが到来する前に、収穫作業を終わらせる必要がある。

 

インドからの出稼ぎ労働者のうち、一部はコンバイン収穫機の運転スキルに長けているが、残りはその訓練を十分に受けていない。しかし、彼らは家族と離れてスリランカにやって来ることを厭わず、灼熱の暑さも我慢して働いてくれる。

 

繁忙期になると、タミル語を話す南インド人は観光ビザで入国し、農場を転々としながら一か月以上、スリランカに滞在する。仕事に真面目で、納期も守り、人件費も安いため、スリランカのコメ農家はインド人を雇用することを好ましく考えている。

 

収穫時の労働力不足は、最初に北部州と東部州で確認されたが、やがて北中部州と南部州へと広まった。アンパーラ県・バッティカロア県・キリノッチ県・ポロンナルワ県・トリンコマリー県・バブニヤ県の農民たちは、足りない労働力を埋め合わせるために南インド人から労働者を迎え入れるよう、地方行政局に訴えかけた。

様々な産業で活躍している外国人労働者

スリランカにやってくるインド人の農業労働者は、季節労働のニーズに応え、スリランカ人の農民たちと消費者たちは、このことから恩恵を受けている。彼らによって生産効率が上がり、米の価格が低く抑えられているからだ。

 

スリランカで職を得る外国人はインドからの農業労働者だけではない。中国政府が出資してインフラを建設する企業は、中国から何千人と労働者を雇う。コロンボにある一流レストランの多くのシェフも、またいくつかの一流校の先生も外国人である。学校であれば、生徒にイギリス流、そして国際的なカリキュラムに即した試験を受けさせるための授業を彼ら外国人教師は行っている。

 

また、多くの専門分野を持つ外国人の医者は、スリランカの私立病院に勤めている。そして、スリランカBOI(投資庁)は、税控除の他にも、スリランカでの実務担当者を海外から呼び寄せることを許可することで、外国からの投資を促している 。


次回は、スリランカにおける労働力不足の具体的な状況をご説明します。
 

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年12月に掲載した記事「Sri Lanka must throw open its borders to foreign workers & immigrants, without many conditions」を、翻訳・編集したものです。

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『ECHELON(エシュロン)』は、スリランカの三大ビジネス誌のひとつ。著名な経営者・ビジネスパーソンのインタビュー記事から、同国の金融・経済・投資・不動産などの最新事情、ラグジュアリーなアイテムやライフスタイル等の記事を幅広く掲載。経営者層やハイクラスなビジネスパーソンなど、同国の物的・知的富裕層を多数読者に抱える。(写真はチェアマンのChanna De Silva氏)

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