ニュージーランドのオークランドでは、アパートメントの建築ラッシュが続いています。今回は、その現状について見ていきます。

オークランドの景色を独占できる、お買い得物件を見学

筆者がオフィスに向かう経路の途中、ワイタケレ山脈の全景が見えるポジションがあります。先日、何気なく目を向けると、山の中腹にスキーのリフトの線のようなものがあることに気づきました。

 

「スキー場の建設をしているのかな?」と思って見てみると、それは高層アパートメントを建てるクレーンの器具でした。しかし、さらに目を凝らすと、左右に同じようなクレーンがそびえ立っています。オークランドの西方面、元ワイタケレ地域は今、アパートメントの建設ラッシュの真っ最中なのです。

 

 

そんな矢先、オフィスのスタッフから、シティーの中心地に建設中のアパートの見学に誘われ、急遽現場へと向かいました。

 

「ぜひ景色を見てほしい」との要望があったため、建設会社が用意してくれたヘルメットをかぶり、オレンジ色のベストを着こみ、アパートの外壁の外側に設置されているリフトで、まずは18階のアパートの13階へ。13階から上は階段とのことでしたので、作業現場の細く狭い階段を上り、高層階の景色のチェックに向かいます。

 

 

 

現場監督は、建築作業員のアルバイトスタッフたちと冗談交じりの会話をしながら、長い脚で軽々と、階段を3段とばしで上って行きます。現場に慣れている彼らとは違い、私は足がすくんでしまい、思うように動けません。

 

監督やスタッフは自由に動き回っていますが、やはり建設現場ですから、危険と背中合わせです。窓ガラスが入っていない場所からは強い風が吹き込み、今にも飛ばされそうな恐怖を感じました。しかし、プロの作業員たちは写真のとおり平然と足場に腰掛け、高さも風も意に介さない様子です。

 

 

このような大変な建築工程があってこそ(現場スタッフは平気そうでしたが・・・)、シティーの住民たちはアパートメントライフをエンジョイできているのだと実感した、命がけの物件見学でした。

 

物件の内装は、クリーム、ベージュを基調にしたシックな仕上げです。

 

 

バルコニーもある45㎡の部屋は、シングルにもカップルにはちょうどよいサイズです。これでなんと70万NZドル(約5000万円)からです。2~3ベットルームの物件もあり、価格は、80万~90万NZドル台で、筆者が見学したときには、既に約80%が売却済みでした。

 

残りの20%の部屋数はまだ販売中で、最上階のペントハウスの販売価格は180万NZドル(1億4000万円)。担当者の話によると、200万NZドルを超える物件が多い中、180万NZドルはお手頃、とのことです。

 

簡単に手が出る価格ではありませんが、この金額でオークランドシティーの景色を独り占めできるなら・・・? 安いか高いかは、読者の皆様がご判断ください。

常に40~50戸の開発計画が進むオークランドシティ

2018年10月22日から、ニュージーランドでは外国人の中古物件購入規制が入り、「外国人枠で販売してもよいのは、新築の集合住宅の一部、約20%のみ」という法律が施行されました。

 

しかし、現場では実際の事務手続きの処理方法等、まだ正確な理解が進んでいないのが現状です。今は現地人への販売でも充分にビジネスが成り立っているため、外国人に販売するために複雑な事務手続きが必要になるなら、そこまでして売らなくてもいい・・・という空気も感じられます。

 

そのような状況にあり、建物完成間際という段階であと一歩完売できない・・・ともなれば、外国人マーケットでビジネス展開している筆者に声がかかるのは、当然の流れかもしれません。

 

オークランド大学、AUT、私立英語学校や料理学校と隣接している位置にあるこのアパートメントは、留学生用、またはシティー勤務の社会人向けの賃貸投資運営に適した、好条件の物件です。

 

アパートメント好きの筆者としては、ついつい買い手目線で見てしまい、どの位置の部屋が良いか、図面だけではわからない部屋の内覧も積極的に行いました。

 

南向きで日当たりが悪く、ここはやめた方がいいだろうと思った部屋でも、実際に見ると窓が複数あって案外明るく、外の景色もよかったりします。一方、北向きで日当たり良好とみていた部屋は、建物がすぐ近くにあっていまひとつだったりなど、物件の実情がよくわかりました。目深にヘルメットをかぶり、風に飛ばされそうになりながら見学した甲斐があったというものです。

 

オークランドシティーの中心地は常に40~50戸の開発計画があります。これでもかというほど建物が建てられ、完成したかと思いきや、数軒隣にまた建築が始まります。まだまだ、オークランドの街は成長途中です。

 

今回が、今年最後の記事となります。1年間読んでいただき、ありがとうございました。自然豊かなピュアニュージーランドより。

 

 

一色良子

Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長

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