今回は、米国株のダウ採用銘柄のひとつ、「ベライゾン・コミュニケーション」の企業情報を見ていきます。※本連載は、亜州IR株式会社が編集・発行した書籍『米国株四半期速報 2018年夏号』の中から一部を抜粋し、米国株の基礎知識とダウ採用30銘柄に選ばれた企業情報を15社ご紹介します。

米ヤフーのインターネット事業を買収

【通信キャリア大手】

AT&Tと並ぶ米通信2強で固定、携帯の双方を手掛ける。3G、4G(通信規格:LTE)のサービスを提供している。高レベルのネットワーク品質が売り。買収で業容を拡大。

 

2009年に携帯電話キャリアのオールテルを買収した。14年にはベライゾン・ワイヤレスを完全子会社化(ボーダフォンの持ち分を取得)している。15年にインターネットサービスのAOLを買収。17年6月には米ヤフーのインターネット事業を買い取った。

前年同期比に比べ、売上高・純利益ともに増加

【足元動向】

第1四半期(1~3月)は売上高が前年同期比6.56%増の317億7200万ドル、純利益が同31.73%増の45億4500万ドルに伸びた。希薄化後EPS(1.11ドル)が市場予想(1.122ドル)をやや下回る一方、売上高は市場予想(312億8400万ドル)を上回る。

 

部門別の売上高は、固定通信(ワイアライン)が1.62%減の75億5700万ドルに縮小したものの、移動通信(ワイヤレス)が4.89%増の219億ドルに伸びている。メディア事業「Oath(ヤフーから買収した事業)」に関しては、総売上高(収益認識の影響を除く)が約19億ドル(季節要因で前四半期比13%減)に上った。

 

ワイヤレス部門のユーザーに関しては、後払い型の純増数が26万件とプラス成長を達成。携帯電話とタブレットでそれぞれ2万4000件、7万5000件の契約を失ったものの、ウェアラブル端末などその他コネクテッドデバイスの契約が増加したこと(↑35万9000件)がマイナス影響をカバーした。全体の営業利益は、5.55%増の73億4900万ドルと小幅な伸び。その他費用や法人税負担の縮小が最終増益幅を拡大させた。早期債務償還コストや買収・統合関連費用などを考慮した場合、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は23.15%増の1.17ドルと市場予想(1.114ドル)を上回った。

 

 

*売上構成は内部調整を除いて算出

米国株四半期速報 2018年夏号

米国株四半期速報 2018年夏号

亜州IR株式会社編集

亜州IR株式会社

本書では、日本の証券会社を通じて売買できる225銘柄を収録し、そのうち180銘柄は事業の概要や財務の状況、業績の推移などを可能な限り詳しくご紹介しています。米国株の取引や研究に有効な一冊です。

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