前回は、富裕層の注目を集める「ラップ口座」のリスクを説明しました。今回は、富裕層の間で関心が高い「海外投資」の落とし穴を見ていきましょう。

為替リスク、為替差損、送金手数料・・・

富裕層の間で関心が高いのが海外投資です。日本国内は超低金利で満足な利回りを確保できないのに比べ、海外の金融商品には表面上、魅力的な利回りのものがいろいろあります。

 

また、資産を円だけで持つことのリスクを考え、米ドルをはじめ外国通貨建ての金融商品に投資することに魅力を感じるのでしょう。さらには、節税効果を狙うケースもあります。

 

しかし、海外での資産運用には様々な落とし穴が待っています。たとえば、為替差損です。かつてのように超円高に振れると外貨建ての資産は目減りします。たとえば、1ドル=120円が1ドル=100円になると、17%近い為替差損が出る計算で、10%の利回りがあったとしてもとてもカバーできません。

 

また、為替手数料の高さも問題です。金融機関によって差はありますが、通常は1ドルにつき1円程度の手数料を平気で取ります。それだけで1%近く利回りが下がる計算です。

 

海外投資の場合、資金を海外に送金する送金手数料もばかになりません。「タマネギの皮を剥く」というのですが、せっかくの資金が海外投資をしているうちにどんどん手数料で削られ、気が付いたら小さな芯だけになっていたということになりかねないのです。

持ち出した資金を「日本に戻せなくなった」ケースも!?

海外投資ではさらに、現地の法律が変更されたり、なんらかのトラブルが発生し、持ち出した資金を日本に戻せなくなるリスクがあります。

 

直接、海外の金融機関などとやり取りする場合は特に、通常の解約手続きも日本に比べればずっと複雑で書類も多く、現地へ赴いて英語などで交渉しなければならなかったりします。安易に考えていると、とんでもないことになりかねません。

 

実際、中国に送金し、現地銀行で人民元を買って運用していた方で、日本にお金を戻す段階になって法律が変わり、日本に戻せなくなってしまったケースもありました。

本連載は、2016年5月25日刊行の書籍『資産防衛の新常識』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

資産防衛の新常識

資産防衛の新常識

江幡 吉昭

幻冬舎メディアコンサルティング

相続税の増税、マイナンバー制度や出国税の導入など、資産家を取り巻く状況が年々厳しさを増していくなか、銀行や証券会社が販売手数料を目当てに、「資産防衛のサポート」と称して富裕層に群がっている現状…。資産家が金融営…

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