不動産を使った相続税対策は「専門家チーム」に任せるべき理由

前回は、物件選びで失敗しないための「5つのポイント」について説明しました。今回は、賃貸不動産を利用した節税の仕組みと、専門家チームを活用する重要性について見ていきます。

自分だけで「節税を実現する」のは難しい!?

しっかりと収益を上げられる利回りのよい賃貸不動産が見つかったら、基本的には家賃収入から借入金を返済でき、管理費や固定資産税を支払い、それでも手元に現金が残ります。これは事前にシミュレーションをしておけば問題ないでしょう。見えざる借金である相続税も減って節税になり、その後の生活に影響を与える心配もありません。

 

さて、これが賃貸不動産を所有するという相続税対策です。節税に至るまでの仕組みはシンプルですが、専門のコンサルタントなしに実行するのは容易ではありません。

 

重要な物件選定だけを先にお伝えしましたが、賃貸不動産を利用した相続税対策をする一連の流れは次のようになります。

 

相続税額の試算

賃貸不動産を購入した場合のシミュレーション

プランニングと物件選定

売主交渉と銀行交渉

物件購入購入後の管理運営

定期的な税金メンテナンス

出口戦略

 

相続税額の試算と賃貸不動産を購入した場合のシミュレーション、またプランニングなどはある程度相続税に詳しい専門家ならできると思います。しかし、その後の売主交渉と銀行交渉、購入後の管理運営などはどうでしょうか。実際に慣れていないと煩雑で時間のかかる作業がいくつもあります。本当に銀行は融資してくれるでしょうか。金利は高くならないでしょうか。

 

また、打ち合わせや交渉など顧問税理士さんなどが同席してくれればいいですが、場合によっては物件の選定は不動産会社を紹介してそちらに任せっきりにしたり、購入後の管理運営は不動産管理会社を紹介して丸投げしたり、という方も多いのではないでしょうか。

 

私はいろいろなメディアで相続税対策を見てきましたが、それらはぶつ切りのような気がしていました。

 

たとえば不動産会社にしても、彼らは彼らで自分たちの目線で有益な物件を顧客にお勧めします。場合によっては、なかなか売れずに困っている物件をプッシュしてくることもあるかもしれません。それは相続税対策という視点から離れたところでの話になっているためです。不動産に疎い方であれば、それでもいいかと勘違いして購入してしまうかもしれません。

 

そういった危険性を考えると、結局のところ、自分自身が不動産に詳しくなり、賃貸経営を学び、全体を把握しておかなければなりません。一つひとつの打ち合わせに時間をかけたり、独学で勉強する時間を確保したりということが必要になってきます。もし全体の流れのどこかで誰かと意思の疎通がうまくいかなかったら、節税どころではなくなってしまう問題も出てきます。

 

そもそも不動産賃貸業とはいえ経営なので、それを素人が片手間にやろうとしても無理があります。時間と興味がある方なら、その中で不動産賃貸業を学んでうまく経営していけることかと思いますが、皆さんが必ずしもそうとは限りません。税金のためにしては精神的負担が大きく、サラリーマンだったらなかなか時間も割けません。

 

こんなことを考えていくと、理屈はわかっても実行がハードであり、それを懸念して断念するということも多いのです。また、頑張って物件を建てるところまでは進んだものの、その後経営がうまくいかず、結果失敗している方の話もよく聞きます。

 

つまり、こういった一連の流れの中の不安材料を、一手に引き受けてくれるコンサルタントがいなければ、この相続税対策を講じることは難しいのです。そういったコンサルタントに全体を見てもらい、逐一状況を確認してもらわなければ、目的地まで道に迷わずに進めません。

チームを活用すれば「スムーズに効率よく」進められる

そこで私の場合は、私がコンサルタントの役割を担いつつ、チームとして全体の流れすべてに対応していくことにしています。相続税対策を「パッケージ」として考えているのです。

 

そうすると、どういう流れになるでしょうか。相続税額の試算、賃貸不動産を購入した場合のシミュレーション、プランニングまでは税理士である私が考えて提案していきます。

 

その次の物件選定の段階になったら、チーム内に複数人いる物件探しの担当者に条件を伝えて探してもらいますので、物件選定のために自身が多大な時間を費やすことはありません。それを生業としているプロもいますので、不動産業者とは違った情報などを集めてくれることもあります。

 

物件が見つかって次の段階として借入が必要な場合、銀行に交渉をしにいかなければいけません。しかしこれも私が普段から付き合いのある銀行に行って、チームとしてじかに話をつけるので断然スムーズです。

 

物件購入後の管理も、チーム内の不動産管理会社、もしくは普段から付き合いのある不動産管理会社に事情を説明しながら、私を含めチーム内で見張るのでこれも問題ありません。不動産賃貸業でもっとも厄介な入居者トラブルにもチーム内で対応しています。賃貸経営について必死に勉強する時間も省けます。

 

最終的に購入した物件を売却して、すべてを元通りの状態に戻すまで対応します。これで「パッケージ」は終了です。

 

つまり、チームを持ったコンサルタントにお願いすれば、オーナーは面倒な管理業務から解放され、不動産に詳しくなる必要もなく、経営を学ぶ必要もなく、節税という目的を達成することができるのです。これが賃貸不動産を所有して相続税の節税をするという目的を達成するための確実な方法です。

 

もちろん、自分でも考えていきたいという方がいれば、そのお気持ちは尊重しています。ただし、時間も割けず、知識を今さら詰め込むのも難しい、しかし相続税額が高額という方にとって、この「パッケージ」での対応が大きな力になれる方法であると考えています。

本連載は、2013年11月27日刊行の書籍『大増税時代に大損しない相続税対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載大増税時代に大損しない「不動産を活用した相続税対策」

北村税理士事務所 代表
税理士(東京税理士会麻布支部所属)
TKC全国会資産税対策研究会 会員 

1971年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学卒業後は東京都港区の藤浪会計事務所に所属、資産税を中心としたコンサルティング業務に従事。六本木ヒルズや白金プラチナタワーなどの再開発案件にも携わる。2005年より早稲田大学大学院会計研究科にて租税法の大家である品川芳宣教授に師事。2007年、北村税理士事務所を開設。現在は相続税対策・申告や、顧問税理士業務を中心に行う。

著者紹介

大増税時代に大損しない 相続税対策

大増税時代に大損しない 相続税対策

北村 英寿

幻冬舎メディアコンサルティング

相続税対策を成功させるためには、実行に移してからの最終的な「出口戦略」まで考える必要があります。 「出口戦略」とは、相続税対策のために購入した賃貸不動産の最終的な顛末を考えることです。 相続発生後は、基本的にそ…

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