前回は、企業内における「経験豊富なITスペシャリスト育成」の重要性を取り上げました。今回は、「IT関連の責任者」にふさわしい人材の条件を説明します。

全社にインパクトを及ぼせる、能力・実績を持つ

IT、その中でもデジタルプロモーション絡みのプロジェクトは、全社で取り組まなければ会社が本来持っている価値を生み出すことができません。

 

例えば内勤の人たちは、営業担当者が外でクライアントから何を言われているか直接聞く機会があまりありませんので、社長から訓話で「危機感が不足している」と言葉で言われてもピンと来ません。その距離を縮めることができるのがデジタルツールです。

 

ITについての責任者は、全社に対してインパクトを及ぼせる能力や実績を持つぐらいの人材に任せるべきです。マーケティングの製品担当や営業所の支店長か、それ以上に全社の調整上重要なポストだからです。

「ITで何ができるのか」が見えていることが重要

間違っても新しいことに取り組もうとしない消極的な人を選んではいけません。ところが「ITはよく分からないから今の担当者にすべて任せておけばいい」という程度の感覚で任せているという話もよく聞きます。

 

営業系のITは、基幹システムのように決まった内勤者が使うものではありません。大勢の外勤を主とする社員が使うことになりますから、いかに効率を考えるか、戦略的にも必要なところに集中をするかなど、成功のために検討すべき課題がたくさん出てきます。

 

担当者に仕事が集中すると、課題を解決しきれなくなり、全体の効率に影響が出ることを理解しておくべきです。ITに疎い上司が来ると、人的リソースと課題解決のための組織的行動がうまくいかなくなります。

 

しかも大企業の場合、ローテーション人事になることが多く、プロのスペシャリストを育てるのが難しい環境です。それでも今の時代、ウェブでのマーケティングオートメーションとコールセンターと営業部門とが連携を取れないようでは、何のために仕事をしているのか分からなくなります。

 

それぞれの立ち位置を理解して、意思疎通を図れる人を置く必要があります。

 

縦割り組織の溝が深いままでは、これらの部門の連携はできません。今からそこを再構築していこうとする大手企業もあります。しかし縦割りの中で革新的な仕事をするには、かなりの力を持っている人に自由に動いてもらわないと難しいでしょう。

 

ITで何ができるのか、iPadのようなタブレット端末はどんな可能性を持っていて、どう使いこなしていくのか。それが見えている人材、そしてとりわけ調整力があり、柔軟な思考と取り組みができる人材を置くべきです。

本連載は、2016年12月13日刊行の書籍『最強営業部隊をつくるタブレットPC活用戦略』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

最強営業部隊をつくるタブレットPC活用戦略

最強営業部隊をつくるタブレットPC活用戦略

関根 潔

幻冬舎メディアコンサルティング

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