前回は、営業現場への「ITシステム投資」を成功させる方法を説明しました。今回は、今後の「ITソリューション」の展望を探ります。

「組織をまたがる」「組織の壁を越える」がキーワード

全社を挙げた総力戦のために、これからは「組織をまたがる」「組織の壁を越える」ことがキーワードになります。そしてITにはその力があります。

 

営業改革も、営業部門の中だけの話に止まりません。例えば営業部門でSFAを導入して部門内の最適化ができたとしても、それと全社の歯車がかみ合うことはまた別の問題です。

 

売上目標を持っているのは営業部門ですが、ほかの部門も社外と接触があります。だからCRMで顧客との関係を全社的に管理することが求められます。「Sansan」のように、社員が交換した名刺をデジタルで管理することによって人のつながりを見える化するシステムもあります。これも営業部門だけではなく、会社全体の人脈管理です。

 

このように営業という歯車を単体で考えるのではなく、その歯車の大きさとかみ合わせを変えていくITソリューションの活用を目指さなければなりません。

ITにC(通信)を加えた「ICT」は、営業革命の道具に

「インタラクティブプロ」のようにすべての部門のコンテンツをひとつにして使えるソリューションツールは、部門の垣根を取り払うことができます。今持っている〝コンテンツ資産を有効活用する〞という意味では、コンテンツのアセットマネジメントツールでもあります。

 

営業とマーケティングがばらばらに指示を出している会社がありますが、これは主に部門間の対立や意思疎通のなさが原因で歯車が回っていないためと思われます。ITは時間と場所を越えてこうした組織に横串を通すことが可能です。

 

グループ会社にも横串を通すことができますし、さらにグループの枠を越えてアライアンスを組んだ企業同士でも情報やコンテンツをシェアすることができます。製薬業界の最近の動きとしてはA社とB社で同じ薬を併売するようになっています。すると同じコンテンツを一緒に使えばいいですし、顧客情報もシェアすることができます。そういう垣根をなくすのがITです。

 

IT(情報技術)にC(通信)を加えたICTは営業革命の道具となります。それは同時に古い殻を破る企業革命でもあります。

 

企業運営の変革で営業担当者が全社の代表として豊かな営業活動ができるようにITツールを活用し、顧客への貢献ができるようになっていただければ、本書の目的は達成できたといえます。

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    本連載は、2016年12月13日刊行の書籍『最強営業部隊をつくるタブレットPC活用戦略』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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