クリニックの開業に大きく影響する「人口減少」の問題

前回は、「医師の開業」の現状を探りました。今回は、クリニックの開業に大きく影響する「人口減少」の問題について説明します。

人口減少は、そのまま「患者数の減少」につなが

実際に開業する前に、開業したらどうなるかについて、いくつかの数字から考えてみましょう。

 

まず、開業後に十分な患者数を確保できるかどうかを見てみます。2016年には、国勢調査ではじめて日本の人口が減少したことが話題になったように、日本は少子高齢化で人口減少のさなかにあります。

 

人口減少はそのまま患者数の減少につながります。総務省の推計によれば、現在から10年後の2025年までは1億2000万人を維持できますが、以後は加速度的に人口が減少していきます。

 

開業したクリニックをいつまで続けるかにもよりますが、絶対的な人口の減少は考慮に入れておくべき問題のひとつです。

 

[図表1]日本の人口推移

2015年までは総務省「国勢調査」(年齢不詳人口を除く)、2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」(出生中位・死亡中位推計)

出典:総務省「平成28年版情報通信白書」
2015年までは総務省「国勢調査」(年齢不詳人口を除く)、2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」(出生中位・死亡中位推計)
出典:総務省「平成28年版情報通信白書」

開業医の増加により、競争率が高くなる可能性も

人口が減っても、医療施設が十分に供給されていなければ、一施設当たりの需要が減ることはないでしょう。次に、日本の医療施設の数の増減を見てみましょう。

 

[図表2]医療施設数の年次推移

注:昭和50~58年は各年12月末、昭和59年以降は10月1日現在である。
出典:厚生労働省「平成28年我が国の保健統計」
注:昭和50~58年は各年12月末、昭和59年以降は10月1日現在である。
出典:厚生労働省「平成28年我が国の保健統計」

 

厚生労働省の「平成28年我が国の保健統計」によると、有床診療所と無床診療所を足した一般診療所の数は一貫して増え続け、10万件を超えています。中でも、入院施設を持たない無床診療所(いわゆるクリニック)と歯科診療所の数が増加していることがわかります。

 

しかし実はその間、患者数20人以上の入院施設を有する病院を含む、有床診療所の数は減少を続けています。これは、病院の数が減っているとともに、勤務医から開業医となる医師の数が増えていることを示します。

 

つまり、これから開業医を目指すのであれば、ライバルが多いことを覚悟しなければなりません。

本連載は、2017年1月26日刊行の書籍『自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

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連載自己資金ゼロで「儲かるクリニック」を開業する方法

株式会社GSKコミュニケーションズ 代表取締役

1971年生まれ。
1999年から労務を主にしたコンサルティング業務を行い、2004年、株式会社GSKコミュニケーションズを設立。
不動産賃貸業、管理・ソフトウェア開発のほか、飲食業や人材派遣、自動車販売業などさまざまな業種のコンサルティングに従事。さらに2006年4月より「大志の会」「有志の集い」「市川直樹塾」を主宰し、中小企業経営者に向けて講演会やシンポジウムなどを積極的に開催。これまで300社以上の中小企業経営者のコンサルティングに取り組んでいる。 2011年にはしいの木子どもクリニックを開業、クリニックと調剤薬局の経営コンサルティングを手がけ、開業以来5年間で約9万人の患者の集患に成功している。

著者紹介

自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法

自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法

市川 直樹

幻冬舎メディアコンサルティング

勤務医は慢性的な医師不足で時間外の労働が多く、給与も働きに見合わず、過酷な労働環境におかれています。 一方、そうした状況から理想の医療の実現を目標に開業する医師もいますが、都市圏のクリニックは今や乱立状態にあり…

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