特集2015.12法人の税金対策&財務改善

税金 節税 決算対策
連載戦略的「節税」で資産を守る方法【第1回】

なぜ節税対策はフローとストックの両面で行う必要があるのか?

フローストック新連載

なぜ節税対策はフローとストックの両面で行う必要があるのか?

せっかく利益を出しても、大半が法人税で持っていかれてしまう。役員報酬の所得税負担が重い・・・。このように、オーナー社長の悩みは尽きません。本連載では、法人、個人、あるいはその両方に効果のある節税対策について、具体的なノウハウを見ていきます。

節税マトリックスでみるフロー・ストック対策の関係

ひとくちに「節税対策」といいますが、その中身は大きく2つに分けられます。それは、毎年の決算で所得をいかに圧縮するかというフローの対策と、何年あるいは何十年に一度だけ起こる大きな財産の移動時にどうやって財産を圧縮するかというストックの対策です。

 

また、オーナー社長やそのご家族という個人のレベルで見た場合には、所得税や住民税、また税金ではありませんが社会保険料がフローの部分で、相続税や贈与税がストックの部分に当たります。

 

徹底した節税のためには、フローの対策とストックの対策を両方やる必要があります。それは、どちらの対策も独立しているように見えて、それぞれが密接に関わっているからです。

 

以下の図は筆者がセミナーなどでいつもお見せしているもので、「節税マトリックス」と呼んでいます。

節税対策は「フロー」と「ストック」の両面から行うことが重要です。加えて中小企業では、「法人」と「個人」も一体として節税対策を考える必要があります。この場合、「法人」とは本体の事業会社はもちろん、別会社などグループ全体のことです。また「個人」については、オーナー社長だけでなく、奥様や後継者などを含めたファミリー全体のことを指しています。

 

なぜかというと、法人の決算対策、個人の所得税対策、法人の自社株対策、個人の相続税・贈与税対策・・・これらはすべてお互いに関わりあっているからです。

中小企業ファミリー全体の節税対策として捉える

わかりやすい例でいうと、法人が自社株対策を行うことは、個人の相続税対策につながります。また、生命保険商品や役員住宅の社宅化といった節税対策では、法人の節税効果が期待できると同時に、個人の所得税を減らし、手取りを増やすこともできるため、法人・個人の双方のフロー対策として活用できます。

 

逆に、あるひとつの面しか見ていないと、節税をしたつもりがトータルで見ると実は節税になっていなかったということもあります。たとえば、法人税の軽減のために高額の役員報酬を出しているものの、個人の所得税・住民税の負担が増えてしまい、トータルで見た場合にはあまり効果がない、といったような場合です。

 

これまでは、どちらかというと法人なら法人だけ、決算対策なら決算対策だけといったピンポイントの節税対策提案がなされることが多かったようです。

 

しかし今後は、中小企業ファミリー全体の節税対策と捉え、このようにフロー、ストック、法人、個人の4ブロックの節税対策について、クロスオーバーさせて検討していくことが主流になっていく必要があると考えています。それこそが最も高い節税効果を生む方法だからです。

 

なお、日本の税目には、このマトリックスにある以外にも、登録免許税や不動産取得税、消費税などさまざまなものがあります。オーナー企業の業種・業態によっては、マトリックスにある以外の税目が関係してくる場合もありますが、ここでは多くの人に活用していただけるよう、業種業態を問わずすべての会社に関係のある代表的な税目を挙げています。

本連載は、2013年2月4日刊行の書籍『戦略的「節税」経営』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

越田 学

税理士法人K・S・D 代表社員

平成元年、明治大学政治経済学部を卒業、野村證券に入社。同社を退社後、平成6年に税理士事務所に勤務、会計人としてのキャリアをスタートさせる。平成19年、石川県金沢市にて越田税理士事務所を開業。以来、提案型会計事務所を標榜し、節税対策を絡めた自社株対策、相続・事業承継対策、決算対策など、コンサルティング活動を行う。平成23年には個人事務所を税理士法人K・S・Dへと法人組織化、併せて港区北青山に東京事務所を開設する。また、主要都市でのセミナーを精力的に行うなど、全国各地で活動の場を広げている。

著者紹介

連載戦略的「節税」で資産を守る方法

戦略的「節税」経営

戦略的「節税」経営

越田 学

幻冬舎メディアコンサルティング

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