会社存続の鍵を握る「売上総利益」と「当期純利益」とは?

今回は、会社を運営する上で欠かせない利益である「売上総利益」と「当期純利益」について説明します。※本連載では、楽天市場で人気の花屋「ゲキハナ」を運営する古屋悟司氏の著書、『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』(案内人・田中靖浩氏/日本実業出版社)の中から一部を抜粋し、実体験をもとに、会社の儲けるパワーを高めるための「管理会計」の活用法を解説していきます。

売上額から仕入額を引いた「粗利」

会社には出ていくお金と入ってくるお金があるのはわかるのですが、そもそも赤字の僕の会社は、出ていくお金が多いから赤字。そこまではわかります。

 

会社のお金を増やすためには、売上を増やすことだと信じて突っ走ってきましたが、その結果、赤字になってしまっていました。

 

原因はわからないままでしたが、税理士さんの話を聞けば、果たしてそれもわかるのでしょうか? 

 

税理士さんは僕の顔をじっと見つめてから、こう言いました。

 

税理士「儲かる話を聞きたいというので、より核心に近づいていこうと思います。では、会社が続くために大切なものって、なんだかわかりますか?」

 

「そりゃもちろん、根性です!」

 

税理士「根性って大事ですよね。とても大事なのですが、お金の面で会社が生き残るために必要なのは、まず利益です。根性とやる気がなくても、利益があったら会社は存続できます。では、利益ってなんのことだと思いますか?」

 

「そりゃ、儲けたお金ですよね」

 

税理士「そうですね。儲けでもあります。その利益にはいろんな種類があるんです」

 

「えっ? 利益に種類ってあるんですか? それって、よいお金と悪いお金とか、そういうことですか?」

 

税理士「あの、そういう精神論じゃなくて、会計上のお金の話です」

 

「あ、そっちですか」

 

自分で「そっち」って言ってしまったけれど、どっちだ? 

 

税理士「そうそう。そっちです。基本的な利益が5つ、そして、限界利益を含めて6つあります。そのなかの1つで、粗利(あらり)ってわかりますか?」

 

「なんとな~く」

 

税理士「粗利というのは、正式名称を『売上総利益』といいます。簡単にいうと、売上額から仕入額を引いたものです。600円で仕入れた物を1000円で売ると、粗利(売上総利益)はいくらになりますか?」

 

「それくらいはわかります。400円です」

 

税理士「そうです。正解です! では、純利益って聞いたことはありますか?」

 

「聞いたことがあるような、ないような・・・」

 

本当は言葉自体は聞いたことはあるけど、イマイチよくわからないので、ごまかしました。

 

税理士「純利益は売上から費用を引いて、最後に残ったものです。もう少し補足すると、さきほどの粗利(売上総利益)からすべての費用を引いて、支払わなければならない法人税も差し引いたものが純利益です。正式名称を『当期純利益』といいます。ついてきていますか?」

 

「えっ、はい。いや、ちょっとややこしいです・・・」

 

というか、これって儲けるために必要な話なのかな? 

引かれるお金を減らし売上を増やすと利益が多く残る

税理士純利益は会社の活動の最終的な成果なんです。損益計算書を見ると、営業外の収益と費用、特別利益や特別損失、そして税金を記載する欄があります。これらを足し引きして、最後に残ったものが純利益です」

 

「はあ。なんだか難しい・・・」

 

税理士「では、図を書いて説明しますね」

 

と言って、税理士さんはスラスラと図を書き始めました。

 

[図表]

 

税理士「この図のように、1年ぶんの売上がこの丸だとすると、そのなかに『仕入原価』や『販売費及び一般管理費』といわれる費用の一部、税金そのほかもろもろがあって、残ったものが『純利益』(当期純利益)です」

 

「うーん。ちょっとこんがらがってきました。でも、図を見るとイメージはわかります。最後に残った儲けが純利益っていうことですか?」

 

税理士「その通りです。そして、この引かれてしまうお金を減らして、売上を増やすと利益がより多く残る、ということだけ覚えておいてください」

 

「売上を増やすと利益が残るという、その理屈くらいはわかります!」

 

やっぱり、僕がこれまでやってきたように売上を増やすと儲かるってことなのでしょうか。

 

(続)

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連載会社の儲けるパワーを高める「管理会計」入門

楽天市場で人気の花屋「ゲキハナ」を運営。1973年生まれ。2004年、順調だった営業の仕事を辞め、たった1か月の研修ののち、花屋を開業。いきなり閑古鳥が鳴くようになり、背水の陣でネット販売に着手。売上はうなぎのぼりになったが、数年後、決算書を見るとずっと赤字だったことに愕然とする。その後、会計を学んだことをきっかけに、倒産の危機を乗り越え、V字回復に成功。以降、黒字を継続中。現在は、「ゲキハナ」の運営に加えて、「黒字会計.jp」のサイト運営や管理会計ソフトの販売を通じて、小さな会社を中心に「黒字化のノウハウ」を紹介している。著書『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』(日本実業出版社)は「会計本」としては異例のヒットになり、アマゾンビジネス書ランキングでも1位を獲得。

著者紹介

「数字」が読めると本当に儲かるんですか?

「数字」が読めると本当に儲かるんですか?

古屋 悟司 田中 靖浩(案内人)

日本実業出版社

ずっと赤字体質だったのが、スゴ腕の税理士に教わったとたん、V字回復して黒字が続いているという、著者の実体験をもとにした超実践的な会計の入門書。 ●「お金はあとからついてくる」はウソ ●固定費はニートな費用、変…

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