利用者の要介護度・目的によって異なる「介護施設」のサービス

利用者のニーズや目的、介護状態によって様々な種類が存在する、高齢者向け介護サービス施設。本連載では、介護施設運営の基礎知識から、利用者にサービスを提供する際の留意点を解説します。

近年では、民間企業運営の高齢者施設も増加傾向

高齢者を対象にした介護サービスや介護施設は非常に多様で、サービスの内容や、目的、費用、入所条件などもさまざまです。厚生労働省の調査によると、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、グループホームといった施設はもちろんのこと、近年では、民間企業が運営する有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も増えていることが分かります。

 

これらの施設のサービスは、要介護度の高い利用者が多い施設、リハビリをして自宅に帰ることを目的としている施設、認知症を抱えた人が入所する施設など、利用者の介護度や目的によって大きく異なります。施設で働く介護職員は、自分の施設にどのような特徴があり、利用者が何を求めて入所してきているのかを理解したうえで毎日の介護にあたります。

 

[図表]高齢者向け住まい・施設の件数

厚生労働省「平成28年版厚生労働白書」より作図
厚生労働省「平成28年版厚生労働白書」より作図

介護施設の種類により、提供できるサービスに違いも

介護施設の種類によって、利用者に提供できるサービスは異なります。

 

しかし利用者の中には、どんなサービスが受けられるか詳しく把握できていない人もいます。利用者や家族から「期待していたサービスが受けられない」「こんなこともしてくれないのか」などといわれる場面も出てきます。

 

たとえば、積極的にリハビリをしたいと考えている利用者が通所介護に通っても、通所介護施設には理学療法士が常駐していないため、リハビリを受けることは難しくなります。

 

また、訪問介護員(以下ホームヘルパー)の仕事は、利用者の食事や入浴などの支援が目的となるため、利用者の家族の分まで食事をつくったり、利用者の使わない部屋の掃除まですることはできないとされています。

 

ほかにも、サービス付き高齢者向け住宅では、基本的に食事の介助や入浴介助はサービスに含まれていない場合が多く、介護が必要なときは介護支援専門員(以下ケアマネジャー)を通して外部のサービスを申し込まなければならないこともあります。

 

介護職員はこうした「できるサービス」「できないサービス」を理解して、自分の中で明確に線引きをする必要があります。

 

さらに、それぞれの利用者が望むことがあれば個別に対応を行います。たとえばリハビリになるようなアクティビティを取り入れたり、サービス付き高齢者向け住宅の入居者の場合、本人と積極的にコミュニケーションをとり、見守りを増やすなどといった具合です。

本連載は、2017年8月26日刊行の書籍『利用者満足度100%を実現する 介護サービス実践マニュアル』から抜粋したものです。

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連載「利用者満足度100%」を目指す! 介護施設運営の基礎知識

社会福祉法人洗心福祉会 理事長
学校法人洗心學舎 理事長 

1948年、三重県生まれ。
1972年三重大学生物資源学部を卒業後、津市役所を経て1993年4月豊野福祉会(現・洗心福祉会)理事に就任。1996年11月に洗心福祉会常務理事、1998年洗心福祉会常務理事・評議員、2004年11月洗心福祉会理事長に就任。2014年洗心學舎理事長に就任し、現在に至る。
三重県・滋賀県で約40の福祉・医療施設を運営し、保育・介護・障がい・医療と幅広い事業を通して地域福祉の発展に貢献。安心と健康をモットーに、地域福祉の拠点となるため尽力している。

著者紹介

利用者満足度100%を実現する 介護サービス実践マニュアル

利用者満足度100%を実現する 介護サービス実践マニュアル

山田 俊郎

幻冬舎メディアコンサルティング

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