前回は、賃貸住宅経営を成功に導く「ブルー・オーシャン戦略」について解説しました。今回は、不動産投資で「ブルー・オーシャン戦略」を実現する方法を見ていきます。

低コスト化と高付加価値化…双方の実現がポイントに

「ブルー・オーシャン戦略」を実現するためには、次の4つのアクションを組み合わせることが必要だとされています。

 

すなわち、業界における常識や標準に対して、

①「減らす」

②「取り除く」

③「増やす」

④「付け加える」

の4つを行うのです。

 

①「減らす」とは、次の「取り除く」のようにまったくなくすというわけではありませんが、業界の標準と比べて思いきり減らすべき要素はないかを探って、減らすことです。

 

②「取り除く」とは、業界の常識として製品やサービスにとって「当たり前だろう」と思われている要素の一部を、文字通りバッサリとなくしてしまうことです。

 

③「増やす」とは、業界標準としてこれまでの製品やサービスにも備わっているものの、まだまだ十分ではない要素を大胆に増やすことです。

 

④「付け加える」とは、業界ではこれまでほとんど提供されていなかったものの、今後付け加えるべき要素は何かを探り、新たに提供することです。

 

4つのアクションのうち、①「減らす」と②「取り除く」は低コスト化につながります。一方、③「増やす」と④「付け加える」は高付加価値化につながります。

 

低コスト化と高付加価値化の両方を、一度に実現することが「ブルー・オーシャン戦略」のポイントということになります。

 

[図表]「ブルー・オーシャン戦略」における4つのアクション

※出典:W・チャン・キム+レネ・モボルニュ著『ブルー・オーシャン戦略』(ランダムハウス講談社)
※出典:W・チャン・キム+レネ・モボルニュ著『ブルー・オーシャン戦略』(ランダムハウス講談社)

常識だったサービスを取り除き、低価格を実現した事例

日本における「ブルー・オーシャン戦略」の代表例のひとつが、ヘアカット専門店のQBハウスです。

 

ご存じの方も多いでしょうが、かつての理容業界では常識だったシャンプーや髭剃り、ブロー、肩もみといったサービスを思い切って取り除き、散髪だけに特化。10分で1000円(税別)という低価格を実現したのです。

 

また、店舗の外には信号機のような装置を付け、緑なら「すぐできる」、黄なら「5〜10分待ち」、赤は「15分以上待ち」ということがすぐ分かるようにしました。

 

1996年に第1号店を開いてからは破竹の快進撃で2017年1月現在、国内520店舗、海外112店舗を運営しています。

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