前回は、第三者にも主張できる「共有名義不動産」に関する権利について取り上げました。今回は、共有名義不動産における「持分の割合」の決め方を見ていきます。

共有不動産の割合は、各人が負担した費用額で決まる

前回述べたように、共有名義不動産の管理行為について決定する場合には、共有持分の割合が重要な意味を持つことになります。また、共有名義にする場合、各共有者の持分の割合を登記する必要があります。

 

では、不動産の共有持分の割合は具体的にどのような形で決まるのでしょうか。

 

まず基本的には、共有の対象となる不動産を購入する際に、各人が負担した費用の割合によって決定されます。

夫と妻で4000万円の不動産を購入した場合

具体的には、不動産の購入価格と諸費用(引っ越し代や家具購入費など間接的にかかる費用は除きます)を含めた総額に対して、共有者各人がいくらずつ負担したかによって決まります。

 

たとえば、物件価格等の合計額が4000万円の不動産を夫と妻で購入したとしましょう。それぞれの負担額は以下の通りでした。

 

●夫 自己資金800万円+住宅ローン2000万円=合計2800万円

●妻 自己資金200万円+住宅ローン1000万円=合計1200万円

 

この場合、夫の負担割合は、2800万円÷4000万円で10分の7となります。一方、妻の負担割合は、1200万円÷4000万円で10分の3です。したがって、それぞれの持分もまた10分の7、10分の3になります。

 

なお、持分の割合が明確でない場合を想定して、民法250条では、「各共有者の持分は、相等しいものと推定する」と定められています。これは「持分の割合について特に合意がない場合は均等とする」という意味です。

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