株のトレードで勝ちたいのなら「どの銘柄を買うか」ではなく、「どのチャートの形を買うか」に着目することが重要です。本連載では、株式会社日本トレード技術開発・代表取締役 冨田晃右氏の著書、『ど素人サラリーマンから月10万円を稼ぐ! 株の授業』(ぱる出版)の中から一部を抜粋し、チャートの正確な分析のための道具となる「9つの買いパターン」について解説していきます。

個人では使いづらい「ファンダメンタル分析」

株式投資を少しでもかじったことのある人なら、ファンダメンタル分析/テクニカル分析という言葉を聞いたことがあるかと思います。株の売買には株価の将来を予測する必要がありますが、このとき使う代表的な分析手法のことを指します。

 

ファンダメンタル分析とは、景気動向や企業の業績や財務状況などによって今後の株価を分析するものです。一方のテクニカル分析とは、過去から現在の値動きのパターンから将来の値動きを予測するもの。言い換えれば、これまでのチャートの形から、将来どんな形のチャートになるのかを見極めるということです。

 

たしかに景気動向や企業の業績や財務状況などは、株価を動かす大きな要因です。でも、私たち個人が投資家としてそうした情報をいち早く確実に手に入れるのは、現実的には難しいのです。「それなら個人にとって不利なファンダメンタル分析で勝負するよりも、チャートの形だけで判断できるテクニカル分析で勝負するのがよい」というのが、私の考えです。大口投資家も個人も見るチャートは基本的にほぼ同じです。チャートは個人がプロの大口投資家と同じ土俵でたたかえる、有効な手段の一つなのです。

 

テクニカル分析というと難しく感じるかもしれませんが、そんなことはありません。要は「値上がりする形」「値下がりする形」をあらかじめ覚えておいて、その形を見つけたとき、その通りに売買すればいいのです。

 

もちろん、テクニカル分析が絶対正しくて、ファンダメンタル分析は間違いだと言っているのではありません。あなたがファンダメンタル分析のほうが好きで、その分析によって利益も出ているのであれば、それでいいと思います。そのやり方をやり続けてください。しかし、もし、あなたがファンダメンタル分析によって利益を出すことができず、うまくいかなくて悩んでいるのなら、一度テクニカル分析を試してみましょう。

「テクニカル分析」は有用だが、絶対ではない

それではさっそく「値上がりする形」「値下がりする形」を具体的に伝授していきましょう……と言う前に、お伝えしておかなければならないことがあります。それは「テクニカル分析に絶対はない」ということです。

 

株で稼ぎたいという人に、買い/売りのサインとなるチャートの形を教えると、うまいかないときに「値上がりする形で買ったのに、値上がりしなかったじゃないか」と怒る人が必ずいます。しかし、そのようなクレームはトレードの本質を見極められていない証拠です。

 

値動きは市場全体のムードはもちろん、そのときの景気動向や社会情勢など、さまざまな要因に左右されます。「値上がりする形」だと思ったチャートが様々な要因に引っ張られ「値下がりする」ことも多々あります。

 

今からお伝えするのは、あくまでも分析のための「道具」です。それらをどう組み合わせてどう判断するかは、そのときの状況に応じて決めていく必要があります。チャートの形の裏に隠された理論や間違いやすい“ダマシ”パターンも勉強して、正確な分析ができるようになってくださいね。

本連載は、2016年5月29日刊行の書籍『ど素人サラリーマンから月10万円を稼ぐ! 株の授業』から抜粋したものです。稀にその後の法律、税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

ど素人サラリーマンから月10万円を稼ぐ! 株の授業

ど素人サラリーマンから月10万円を稼ぐ! 株の授業

冨田 晃右

ぱる出版

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