前回は、「注文住宅」の現状について見ていきました。今回は、注文住宅の建築を成功に導くための「住宅会社の選び方」について見ていきます。

お風呂?キッチン?こだわるところに「メリハリ」を

前回の続きです。

 

注文住宅の裏側を覗く前に、もう一つお話ししておきたいことがあります。

 

それは、「注文住宅は高嶺の花ではないか?」というもっともな疑問に対する答えです。注文住宅は千差万別で、どんなに高価な建物も当然想定されます。しかし、私どもが施工しているほとんどの注文住宅は、決して手の届かないような高価なものではありません。

 

たとえば、「一戸建てに住みたいが、注文住宅は無理」と、100軒以上の建売り住宅を見学したものの、思い描いた家が見つからない。すべて、相応の妥協を必要とするものだと気がつき、私どもを訪ねてきてくれたお客様も数多くいます。そうしたお客様の中にも、建売り住宅の相場観内で思い描いたコンセプトの注文住宅を自分のものにされた方が少なくありません。

 

ある方が言われていた言葉が印象的でした。それは、「建売り住宅というのは万人受けするように作らないといけないから、特に目に見える部分、設備や外観はある程度見栄えのいいものにしないといけない。だけど、たとえば自分たちはお風呂にはこだわりたいけど、キッチンにはそこまでの思い入れはない。そうしたこだわりのあるなしでメリハリをつければ、十分に建売り住宅の相場観の中で気に入った家が建てられる」というものでした。

 

もちろん、一事が万事、そううまく行くとは限りません。注文住宅ですから、確かにお金を掛けようと思えば、いくらでも掛けられます。しかし、この方のように、こだわるところにメリハリをつければ、建売り住宅よりはお金が掛かるとしても、その差は、それほど大きなものにはなりません。その差をどう考え、捉えるかということだと思います。

家づくりのプロセスでは「しっかり悩む」ことが重要

最近、お客様に言うことですが、「住宅会社はこの世に本当にたくさんあります。その中で1社しか選べないのが家づくりです。建て終わるまでのコンペができれば、どんなにいいか知れませんが、残念ながらそれは無理です。コンペが出来るのは契約まで。さらに、その1社に決めても、一つの敷地に対して、間取りプランは限りなくあります。それも、1パターンでしか建てることができません」。

 

だから、「他所の会社だったらどうだったのだろうか」「他の間取りのほうがよかったのではないだろうか」などと後で思っても、それはある程度、仕方がないことです。しかし、自信をもって言えることは、私どもで家づくりをされた方にはそういう思いを抱いている方はまずいないということです。なぜかと言えば、家づくりのプロセスでしっかりと悩んでいただくからです。時間をかけて、悩んで悩んで行き着いた結果だから、納得できるのです。

 

それを、打ち合わせ3回で決めてくださいとか、1日で全部の設備を決めさせられるなどということでは、納得いくはずがありません。「プロの言うことに従っていれば失敗はない」などということは断じてありません。これは、注文住宅でしか味わえない価値観ですから、その価値観を貫ける会社をぜひ選んでいただきたいと思います。

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    本連載は、2017年4月12日刊行の書籍『改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    貞松 信人

    幻冬舎メディアコンサルティング

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