前回は、相続に関わる複数の専門家をつなぐ「コンダクター」の重要性について紹介しました。今回は、医師の相続対策のために「FP」とうまく付き合う方法を見ていきます。

「人生のパートナー」になることを前提にFPを選ぶ

前回の続きです。

 

また、保険は売って終わりではなく、そこからが始まりであり、事あるごとに「今困っていることはありませんか」「以前から何か変わったことはありませんか」と声をかけ、何かあったらその状況に合わせて保険を変えるなどの関わり方をしていきます。

 

すると、おのずと10年、20年、30年という長い付き合いになっていくのです。深い関係になると、お客さまの趣味から休日の過ごし方、お酒のたしなみ方まで全部知っていて、家族に言えない打ち明け話を相談されるなど、まさに人生のパートナーです。

 

こうしたファイナンシャルプランナーの立ち位置は、「相続の相談窓口」として最適といえます。ファイナンシャルプランナーがコンダクター役となって、信頼のおける税理士や弁護士を適材適所で配置することができれば、理想的なオーケストラができるものと確信します。

 

私のモットーとして、「お客さまのお金に関する相談にはすべて乗る」というのがあります。その実践として、納税や遺産相続、事業承継など、お金が関わっている問題全般の相談に乗れる体制を整えています。具体的には、社内に税理士、行政書士、社労士などを育成し、あらゆる側面からお客さまをバックアップできるようにしています。

 

これはお客さまの財産を守るためには、私が死んだ後に発生する相続案件にも対応できなくてはならないという理由からでもあります。「私が死んだら、後のことは知りません」というのでは、あまりにも無責任でしょう。

「客の利益」を優先してくれるか?

また、「お客さまの利益最優先で考え、お客さまを守る」というのも、もう一つの私のこだわりです。お客さまの役に立たないと思えば保険をすすめることはしませんし、逆にお客さまの利益になると思えば、私自身の利益にはならなくても、さまざまなサービスを提供しています。

 

保険販売に専念すれば一時は利益が大きくなるかもしれませんが、お客さまは別に私から買わなければならない理由などありませんから、そのうち離れていくでしょう。では、「私でなくてはできない仕事は何か」と考えたとき、私はお客さまに寄り添うことだと思いました。

 

お客さまの心に寄り添った結果、おすすめできる商品があるのなら提案すればいいし、なければ、それはそれで仕方がない。長く付き合っていくなかで、いつかお役に立てる場面がくればいいという思いで、いつも相談に乗らせていただいています。

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    本連載は、2016年5月27日刊行の書籍『相続破産を防ぐ医師一家の生前対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    井元 章二

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