今回は、「10の投資」ペーパー資産編③として、債券ETF(Exchange Traded Fund)を取り上げます。債券ETFを持つメリットとデメリットを中心に見ていきましょう。

株式とは逆相関の値動きをする「債券ETF」

●債券ETFを持つメリット

債券ETFは、世界中の国債などを組み入れた債券指数に連動しています。性質上、株式とは逆相関の値動きをするので、理論上、株式と併せて持つことで、資産の一方的な目減りを予防することができます。

 

一部の新興国債券や、ハイ・イールド社債(信用リスクのある企業の債券)に連動するETFなどを除いて、債券ETFの値動きは基本的に緩やかです。そのため、なるべく価格変動によるハラハラ感を味わいたくないという人には、適した商品といえるでしょう。

 

みなさんの資産運用に対する考え方は多種多様だと思います。積極的な投資を行い、リターンを得る楽しみも味わいたいという人もいれば、とにかく無難で安心できる、落ち着いたポートフォリオのほうがいいという人もいるはずです。後者のような人には、多めに債券ETFを持つことをおすすめします。

外国債の場合は「為替リスク」を背負う点に注意

●債券ETFを持つデメリット

値動きが緩やかということは、逆にいうとさほどリターンを期待できないということを意味します。たしかにこの点は大きな問題で、「だから債券ETFでは物足りない」と感じる投資家も多いでしょう。

 

なお、海外の債券は国内債券に比べ、多少高い収益率を得ることができますが、一方で大きな為替リスクがあります。価格変動が少なくて、手堅い米国債ETFを買おうと考えたつもりが、結果的に為替の変動に振り回されて、円ベースでは大幅に値下がりしてしまった・・・などというのはよくある話です。

 

債券というと、単純に元本保証で安心と思い込んでいる人も多いようですが、外国債の場合は、むしろ本体の値動きより数倍大きな為替の変動リスクを背負うことになるので、その点を考慮した上で購入すべきです。

 

また、2008年のリーマン・ショック以降、先進国はおしなべて低金利の傾向にあります。日本も例外ではありませんが、特に顕著なのは米国です。たとえば10年債の利回りを見ると、リーマン・ショック以前は4%を上回っていましたが、現状ではわずかに2%台半ばにすぎません。一方で為替の変動は相変わらずダイナミックです。このような点を踏まえると、高い為替リスクを背負って、低い収益を取りにいくというのは、あまりおすすめできないということになります。

 

●買うタイミング

2013年11月時点の観測では、あまり外債を買うべきタイミングではないと私は考えます。買うとすれば、米国の中央銀行であるFRBが現在継続中のQEを縮小し、それを織り込む形で同国の長期金利がある程度上昇したときでしょう。目安としては、米国の10年債利回りが、少なくとも3.2%を超えたあたりではないでしょうか。

 

●どこで買えばいい?

まず、東証に上場する債券ETFは、2013年11月時点でわずか3銘柄と、なんともさびしい状況です。さらに出来高を見れば、ほとんどゴースト・タウン状態なので、実質的に東証で債券ETFを買うことはできないといってよいでしょう。


 

よって、債券ETFを買うなら、国内のネット証券経由の海外ETFになるわけです。この場合、各社とも30銘柄前後の取り扱いがあるので、銘柄に不足があるということはありません。米国の短期債、長期債、超長期債に連動するETFから、ハイ・イールド債、物価連動債、あるいは新興国債券に分散するなどを購入することができます。

本連載は、2013年12月19日刊行の書籍『日本が財政破綻しても資産を奪われない10の投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

日本が財政破綻しても 資産を奪われない10の投資

日本が財政破綻しても 資産を奪われない10の投資

田中 徹郎

幻冬舎メディアコンサルティング

日本の財政は深刻な事態に陥っており、「財政破綻」も決して非現実的なシナリオではありません。特に、資産を円建ての現預金や国債などのペーパー・マネーに集中させていれば、その損害は計り知れません。財政破綻によって、円…

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