今回は、米国株のダウ採用銘柄のひとつ、「キャタピラー」の企業情報を見ていきます。※本連載は、亜州IR株式会社が編集・発行した書籍『米国株四半期速報 2017年春号』の中から一部を抜粋し、米国株の基礎知識とダウ採用30銘柄に選ばれた企業情報を15社ご紹介します。

 

190カ国に販売網を広げ、M&Aで業容を拡大

【建設機械大手】

建設機械の生産で世界トップ規模。パワーショベル、ブルドーザー、農業用トラックなどを開発・製造する。エンジンも製造。自社、他社向けに供給している。世界各地に販売拠点を置き、ディーラー総数は172(うち米国が49)。190カ国に販売網を広げている(2016年12月期末)。M&Aで業容拡大。10年に米機関車メーカーを買収し、製品ラインナップを広げた。11年には鉱山用機械メーカーのビュサイラス・インターナショナルを88億ドルで買収している(キャタピラーにとって過去最大のM&A)。

売上高、希薄化後EPSともに市場予想を下回る

【足元動向】

第4四半期(10~12月)は売上高が前年同期比13.20%減の95億7400万ドルに落ち込む中、純損失が前年同期の9400万ドルから11億7100万ドルに拡大した。売上高、希薄化後EPS(マイナス2.00ドル)ともに市場予想(それぞれ98億1200万ドル、0.512ドル)を下回る。最終顧客の需要減が逆風。

 

部門別の売上高は、建設業向けが8.09%、資源産業向けが23.16%、エネルギー・運輸向けが15.29%、金融商品が3.23%それぞれ減少した。商品市況の低迷継続に加え、多くの地域で景気が低調だったことが響く。地域別の売上高は、アジア太平洋(9.62%増)を除くエリアで軒並み縮小。主要エリアの北米が13.51%減、南米が15.82%減、ヨーロッパ・アフリカ・中東が28.82%減を強いられた。

 

全体の営業損失は1億7500万→12億6200万ドルに拡大。総営業費用を3.29%削減したものの、減収分をカバーできていない。ただ、再編費用などを考慮した場合、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は0.83ドルとなり、市場予想(0.66ドル)を上回る。会社側は17年の売上高を375億ドル前後、希薄化後EPSを2.30ドル前後、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)を2.90ドル前後と予想した。

 

 
 
*売上構成は金融部門を除いたベースで算出(コーポレート・内部調整は除外)
*売上構成は金融部門を除いたベースで算出(コーポレート・内部調整は除外)
米国株四半期速報 2017年春号

米国株四半期速報 2017年春号

亜州IR株式会社

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米国企業への投資を考える個人投資家がここ数年で非常に増えてきました。弊社米国株四半期速報は2012年春号の初版から5年に渡り、四半期ごとに発行。米国株投資家必携のハンドブックとして親しまれてきました。編集の基本方針…

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