長い老後生活を送るなか、年金をいつから受け取るかは、将来の家計を左右する大切な選択です。年金の繰下げ受給には「長生きしなければ損」という声もありますが、毎月の暮らしに安心をもたらす場合もあります。本記事では、年金受給を70歳まで繰り下げた70代夫婦の事例をもとに、繰下げ受給のメリットと判断のポイントを辻本剛士CFPが解説します。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。
「年金増えて、ウハウハです」5年間の繰下げ受給を選んだ74歳夫婦。〈年金月21万円→月30万円〉で一変した老後【CFPが解説】
「年金の繰下げ受給」が夫婦にもたらしたもの
年金は早く受け取ったほうがいい、あるいは受け取って投資したほうが賢いと周囲からいろいろと言われたものの、資産運用には興味がありませんでした。毎月安心して暮らせるだけの確実な収入があれば、それで十分だったというミズホさん夫婦。
現在も二人は健康に暮らし、年に2回は国内旅行を楽しんでいます。「次はここに行ってみたい」といった会話を楽しめるのも、毎月の家計にゆとりが生まれたからこそです。日々の収入から旅行代を準備でき、貯金を大きく取り崩す心配もせずに済んでいます。
一方で、楽しみを続けるには健康が欠かせないと、二人とも感じています。人生100年時代といわれるなか、定期的に健康診断を受け、散歩を日課にし、食事の栄養バランスにも気を配っています。
いくらお金があっても、体調が悪ければ出かけることもできません。だからこそ、二人で元気に過ごせる今の時間を何よりも大切にしたいと夫婦は考えています。
年金が増えれば、税金や社会保険料の負担が増す場合もありますが、ミズホさん夫婦はそうした負担を踏まえたうえで、日々のお金の心配を減らし、健康に暮らせることが大切だといいます。
ただし、繰下げ受給が誰にとっても最適とは限りません。ミズホさん夫婦の場合は、働ける間の収入で生活を支え、将来の年金を増やす選択が、自分たちの望む暮らしにつながったのです。
辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP
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