「お金の安心」と「今の楽しみ」のバランスが豊かな老後を作る

温泉旅行を中止したことで、残念そうにしていたヒロシさんにケイコさんは「遠くに行けなくても、二人で楽しめることはある」と声をかけました。

その言葉をきっかけに、夫婦は近場へのドライブや外食を楽しむようになりました。月約31万円の年金で毎月の生活費を賄えるようになり、日々の暮らしのために貯金を取り崩す心配もなくなりました。こうした楽しみにお金を使う余裕も生まれています。

「年金が増えたおかげで、助かっているのも確かだ」と、ヒロシさんは繰下げ受給で得られた安心も感じています。ただ、65歳のときに生活費を見直し、貯金の一部を旅行に充てるなど、別の過ごし方も考えられたのではないかという思いは残りました。

老後のお金は、将来に備えて残すことも、元気なうちに使うことも大切です。毎月の収支や預貯金の残高を確認し、将来の生活費や医療・介護費に備えながら、今の楽しみに使える金額を考えておくとよいでしょう。

辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP

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