「痴漢なんて絶対にするわけないのに…」家族と仕事を守るための〈苦渋の決断〉

一晩中苦悩したタクミさんは、「痴漢なんて絶対にするわけないのに………」と胸に秘めつつも、最終的に早期解決を優先する道を選びました。

弁護士を通じて女性側と交渉を進め、タクミさんが痴漢行為を認める趣旨ではないことを前提に、解決金として80万円を支払うことで示談が成立。弁護士は示談交渉と並行して、早期の身柄解放を求めました。

その結果、タクミさんはその後釈放され、最終的に事件は不起訴処分となりました。前科がつくこともありませんでした。

会社には急な体調不良による欠勤と説明して事なきを得て、家族にも一切悟られることなく、タクミさんは無事に元の日常へと戻ることができました。

果たして、今回のように身に覚えのない痴漢を疑われ、身柄拘束や仕事・家庭への影響に直面した際、被疑者はどのように対応するのが適切なのでしょうか。

【弁護士が解説】「徹底的に争う」が最善とは限らない…痴漢冤罪の対応策

身に覚えのない痴漢を疑われた場合、まず重要なのは、早く解放されたいという焦りから安易に犯行を認めないことです。一度作成された自白調書などは、その後に無実を主張する際、大きな不利益となる可能性があります。

一方で、刑事事件では「無実なのだから最後まで徹底的に争えばよい」と簡単に言い切れないのも現実です。捜査や裁判が長期化すれば、本人の時間的・精神的負担だけでなく、仕事や家族生活への影響も大きくなります。残念ながら、すべてを争い続けることのほうが、本人にとって大きな負担となるケースもあります。

そのため、まずは弁護士に当時の状況をできる限り詳しく伝え、何が起きたのかを整理したうえで、今後どのような主張をするのか、どこまで争うのかを慎重に決めることが重要です。

初期段階では証拠関係が十分に見えていないことも多いため、焦って方針を固定しないことも大切です。そのうえで、本件のように刑事責任を認めることなく、早期解決のために相手方との示談を選択することもあり得ます。

示談をすれば必ず釈放や不起訴になるわけではありませんが、「無実を争うか、示談するか」を単純な正解・不正解で考えるのではなく、証拠の状況や本人の生活への影響まで含めて判断することが大切です。

山村 暢彦
弁護士法人山村法律事務所
代表弁護士

【注目のセミナー情報】
【Bar投資・お酒の美術館】10月31日(土)※明日開催

飲食業界未経験からBarオーナーに!
利回り年40%も狙える仕組みを解説

【資産形成】11月5日(木)
富裕層のための「資産防衛と運用」
相続を見据えた「資産の守り方・育て方」のコツ

【資産戦略】11月25日(水)
約30年ぶりの大金利変動の今しかつかめない?
新たな「お宝保険」の全貌