資産3億円を遺した82歳夫が逝去…葬儀に突然現れた「見知らぬ女性」

地元で複数の不動産を所有し、手広く事業を営んでいたシゲルさん(仮名・82歳)が逝去しました。遺された財産は、自宅や賃貸物件などの不動産と金融資産を合わせて約3億円にのぼります。

シゲルさんの家族は、長年連れ添った妻のヨシコさん(仮名・78歳)と、すでに独立している2人の子どもたちです。

晩年は穏やかな生活を送っており、シゲルさんは妻と2人の子どもに財産を相続させる内容の遺言書もしっかりと残していたため、家族は悲しみのなかでも遺産相続に関する不安は抱いていませんでした。

ところが、葬儀も終盤に差し掛かったころ、会場に見知らぬ女性が現れたことで事態は一変します。

女性は親族の前に立ち、自分がシゲルさんの娘であると名乗り出ました。彼女は証拠となる戸籍謄本を提示し、数十年前にシゲルさんと交際していた自分の母親との間に生まれた子どもであり、「自分にも正当な遺産を受け取る権利があるはずだ」と主張したのです。

「あなた、誰ですか…?」突如名乗り出た「自称・娘」に葬儀会場は騒然

突然の「自称・娘」の登場に、葬儀会場は騒然となりました。50年以上連れ添ってきた夫の裏切りを死後に知らされたヨシコさんは、あまりのショックに言葉を失い、子どもたちも優しかった父親の隠された過去に混乱。

しかし、女性側は冷静に相続人としての権利を主張し続けます。シゲルさんが残した遺言書にはこの女性に関する記載は一切なく、生前もそのような素振りを見せたことは一度もありませんでした。とはいえ、戸籍上でシゲルさんから認知されていることが確認できれば、女性も法律上の子として、ほかの子どもと同じく相続人に含まれます。

もっとも、遺言によって財産の承継先が定められている場合、改めて相続人全員で遺産を分け直す「遺産分割協議」を当然に行うわけではありません。

一方、子どもには、遺言の内容にかかわらず最低限保障される取り分である「遺留分」があります。遺言によってこの女性が何も取得できないのであれば、遺言によって財産を取得する家族に対し、遺留分として一定の金銭を請求できる可能性があります。

遺言に沿って相続手続きを進める予定だった家族も、この女性の遺留分への対応が必要となり、後日、弁護士を交えて改めて話し合いの場を持つことになりました。