「NISAにiDeCo、投資信託……よくわからないけど、全部やらなきゃダメなのかな」「結局、銘柄は何を買えばいいの?」――これから投資を始めようと考えている人は、世の中にあふれる情報に混乱したり、焦ったりしてしまうかもしれません。しかし、投資初心者の人ほど、「シンプルにコツコツ継続」が成功の近道といえます。投資のリスクを抑えながら資産を積み上げていくためのコツについて、FPの前田敏氏が解説します。
「初心者ほどシンプルな方法を継続するほうが成功しやすいですよ」資産運用会社で32年勤務したベテランFPが〈商品選びより「時間」を重視するワケ〉【FPが解説】

投資未経験者が最初に考えるべきこととは?

「投資を始めたいけれど、何を買えばよいかわからない」「NISAが話題になっているが、自分にもできるだろうか」「損をしたらどうしよう」


私のもとに資産運用の相談に来られるお客様の約8割は、ほとんど投資経験のない方です。


そのような方に共通しているのは、「投資は難しいもの」「常に相場を見なければならないもの」というイメージを持っていることです。しかし実際には、投資初心者ほどシンプルな方法を継続するほうが成功しやすい傾向があります。


私はまず、お客様と一緒に将来の目的を確認します。

•    老後資金を準備したい
•    子どもの教育資金を積み立てたい
•    将来の年金不足に備えたい
•    資産をインフレから守りたい


目的によって投資目標や投資計画は変わります。


そのうえで、NISAやiDeCoを活用しながら、長期的な資産形成を目指す積立投資を提案しています。

投資で成果を左右するのは「商品選び」よりも「継続」

投資初心者の方からは、「今後上がる銘柄は何ですか?」という質問をよく受けます。


しかし、20年、30年という長期の資産形成では、短期的な値上がり銘柄を探すことよりも、継続できる仕組みを作ることの方が重要です。


私はお客様と投資目標や投資計画を共有し、積立設定を行います。そして一度運用を始めたあとは、相場のニュースに振り回されて商品を頻繁に変更したり、売買を繰り返したりすることはおすすめしていません。


株価の上下に一喜一憂して投資方針を変えることは、かえって長期投資の成果を損なうことがあります。積立投資の最大の味方は、相場予想ではなく「時間」と「継続」なのです。

投資信託は約6,000本あるが、実際に選ぶ商品は限られる

投資信託は国内だけでも約6,000本あります。しかし、そのすべてが長期投資に適しているわけではありません。


多くの商品は信託報酬などのコストが高く、長期保有すると運用成果に大きな差を生むことがあります。年間のコスト差はわずかでも、20年、30年と積み重なると無視できない金額になります。


そのため私は、金融庁が一定の基準を設けているNISAの「つみたて投資枠」の対象ファンドを中心に提案しています。


これらのファンドには以下のような特徴があり、投資初心者にも適した商品が多いからです。

•    長期投資に適している
•    分散投資ができる
•    コストが低い
•    商品内容が比較的わかりやすい

なぜ私は「株式型インデックスファンド」を中心に提案するのか

資産運用の相談では、「株式と債券のどちらが良いのでしょうか」という質問を受けます。


確かに債券は短期的な価格変動が小さく、安心感があります。しかし、老後資金や長期の資産形成を目的とするなら、私は株式型インデックスファンドを中心に考えます。


その理由は、長年の歴史が証明しています。


株式市場は世界恐慌やオイルショック、ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックなど数々の危機を経験してきました。それでも長期的には企業利益の成長とともに市場全体が成長してきました。


もちろん将来も同じ結果になる保証はありません。しかし、企業は利益を追求し、技術革新を続ける存在です。その成長の恩恵を幅広く受けられるのが、内外の株式型インデックスファンドなのです。

 

私はこうしたファンドを資産形成の「土台」とすることをおすすめしています。