50代・60代を迎えると、資産に関する関心は「いくら増やせるか」から、「どう使うか」へと変わっていきます。老後資金について考える際、多くの人は預貯金や退職金を少しずつ取り崩して生活することをイメージするでしょう。しかし、資産を減らしながら暮らすことに不安を感じる人も少なくありません。そこで注目したいのが、新NISAを活用して「自分年金」をつくるという考え方です。自分年金を作るための有力な選択肢について、FPの前田敏氏が解説します。
「この先の人生、年金と貯金だけで生きていくのは不安だ…」新NISAの成長投資枠で〈月5万円・年間60万円の自分年金〉を作る方法【FPが解説】

「奇数月」に分配金を受け取るという発想

J-REITを活用する際、必ずしも毎月分配にこだわる必要はありません。むしろ年金生活を意識するなら、公的年金との組み合わせを考えるほうが実践的です。

 

公的年金は原則として偶数月に支給されます。そこで決算月の異なるJ-REITを組み合わせ、分配金の受け取り時期を工夫することで、1月・3月・5月といった奇数月に分配金を受け取る仕組みを作ることも可能です。

 

例えば、年間60万円の分配金を奇数月に受け取る場合、60万円÷6回=1回あたり約10万円となります。

 

つまり、「偶数月は公的年金」「奇数月はJ-REIT分配金」というキャッシュフローを構築できるのです。毎月何らかの収入が入ることは、家計管理の面だけでなく心理的な安心感にもつながります。

 

資産を取り崩す老後から「資産が稼ぐ老後」へ

人生100年時代といわれる現在、老後資金の課題は単に資産額の問題ではありません。重要なのは、資産から継続的に収入を得られる仕組みを持つことです。

 

J-REITは、不動産投資の魅力である賃料収入を享受しながら、運用・財産管理・建物管理などをすべて専門家に任せることができます。さらに新NISAの非課税制度を活用すれば、その収入を効率的に受け取ることが可能になります。

 

新NISAとJ-REITを組み合わせるという選択肢

新NISAの成長投資枠を5年間活用し、累計1,200万円をJ-REITで運用できれば、利回り5%を前提として年間約60万円の非課税収入が期待できます。

 

さらに、受け取り時期を奇数月にして分配金を集めれば、公的年金が支給される偶数月との組み合わせによって、「偶数月は年金、奇数月はJ-REIT分配金」という自分年金の仕組みを構築することも可能です。

 

新NISAとJ-REITの組み合わせは、老後の資産を単に取り崩すのではなく、「資産に働いてもらう」ための現実的な選択肢として注目されるのではないでしょうか。

 

※分配金利回りは将来を保証するものではありません。J-REITには価格変動リスク、金利変動リスク、分配金減額リスクがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください

 

 

前田 敏
マネー・マネジメントFPオフィス
代表