50代・60代を迎えると、資産に関する関心は「いくら増やせるか」から、「どう使うか」へと変わっていきます。老後資金について考える際、多くの人は預貯金や退職金を少しずつ取り崩して生活することをイメージするでしょう。しかし、資産を減らしながら暮らすことに不安を感じる人も少なくありません。そこで注目したいのが、新NISAを活用して「自分年金」をつくるという考え方です。自分年金を作るための有力な選択肢について、FPの前田敏氏が解説します。
「この先の人生、年金と貯金だけで生きていくのは不安だ…」新NISAの成長投資枠で〈月5万円・年間60万円の自分年金〉を作る方法【FPが解説】

J-REITで公的年金を補完する新しい資産活用術

新NISAのスタートによって、多くの人が資産形成に取り組むようになりました。しかし、50代、60代を迎えると関心は「いくら増やせるか」から、「どう使うか」へと変わっていきます。

 

老後資金について考える際、多くの人は預貯金や退職金を少しずつ取り崩して生活することをイメージするでしょう。しかし、資産を減らしながら暮らすことに不安を感じる人も少なくありません。

 

 

そこで注目したいのが、新NISAを活用して「自分年金」をつくるという考え方です。その有力な選択肢の一つが、国内不動産に投資するJ-REITです。

 

 

新NISAなら5年間で1,200万円まで投資できる

新NISAの成長投資枠は年間240万円です。毎年上限まで投資すれば、5年間で累計1,200万円を投資することができます。

 

もちろん一度に1,200万円を準備する必要はありません。毎年計画的に積み立てながら、自分年金の原資を育てていくことが可能です。資産形成期には値上がり益を重視する投資も有効ですが、退職後やその準備段階では、定期的な収入を生み出す仕組みづくりも重要になります。

 

J-REITは「プロに任せる不動産投資」

J-REITは、投資家から集めた資金でオフィスビルや賃貸マンション、ホテルといった不動産を取得し、その賃料収入や売却益を投資家へ分配する仕組みです。現物不動産投資との大きな違いは、運営や管理をすべてプロフェッショナルが担うことです。

 

不動産の取得・売却やポートフォリオ運営は資産運用会社が担当し、財産管理は信託銀行などの専門機関が行います。さらに、建物の維持管理、設備点検、修繕、清掃などのビルメンテナンスも専門会社が担当しています。投資家自身が入居者募集や家賃回収、設備トラブルなどの対応を行う必要はありません。

 

いわば、プロが運営する不動産オーナー事業に少額から参加できる仕組みがJ-REITなのです。

 

年間60万円の分配金が期待できる

仮に1,200万円を平均利回り5%で運用できた場合、

 

1,200万円 × 5% = 年間60万円

 

の分配金収入が期待できます。年間60万円というと、月平均では約5万円です。

 

もちろん分配金は保証されるものではなく、市況や金利動向によって変動します。しかし、定期的な収入源として考えれば、老後生活を支える重要なキャッシュフローになり得ます。

 

さらに、新NISA口座で保有していれば、受け取った分配金は非課税です。通常であれば約20%の税金がかかるため、年間60万円の分配金は手取り約48万円程度になります。しかし新NISAなら60万円をそのまま受け取ることができるのです。この差は期間が長くなるほど大きくなります。