増え続ける配当が将来の「保険料」に影響?75歳を前に気になり始めたこと

佐々木さんが資産の持ち方を考え始めたきっかけのひとつが、「75歳から加入する後期高齢者医療制度に、金融所得を反映する」という改正ニュースでした。

現行制度では、市町村民税の所得情報をもとに保険料や窓口負担割合等を計算するため、確定申告した上場株式の配当等は反映される一方、源泉徴収で課税関係が終了し申告しなかったものは原則として反映されません。預貯金や有価証券を「いくら持っているか」という金融資産額そのものも、原則として勘案されていません。

厚生労働省も、同じ金融所得があっても、確定申告をした場合としなかった場合とで、後期高齢者医療の窓口負担割合や保険料に差が生じるケースを示しています。

こうした不公平を是正するため、2026年に成立した医療保険制度改正法では、後期高齢者医療制度について、これまで把握されていなかった上場株式の配当等の金融所得を、保険料や窓口負担割合等へ反映する仕組みが盛り込まれました。施行は公布後5年以内に政令で定める日とされています。

つまり、これからの老後資産を考えるうえでは、資産から生じる金融所得が医療保険の負担にどう関わるのかも、決して他人事ではありません。

佐々木さんも、金融所得によって将来の負担が変わる可能性は気になります。ただ、それ以上に引っかかるのは、いまの自分には必要以上となった「配当所得」です。

使う予定のないお金がさらに所得を生み、それが負担にも影響するとしたら――。この状態をこの先も続ける意味があるのか。75歳が見えてきたいま、初めてそんな疑問を抱くようになったのです。