近年は住宅価格や家賃の高騰を背景に、住居費を抑える選択肢としてシェアハウスを選ぶ人が増えています。しかし、家賃の安さだけで契約すると、共同生活のトラブルや契約内容の見落としから、思わぬ出費につながることもあります。わずか1ヵ月でシェアハウスを退去し、想定外の出費を背負うことになった31歳会社員・ユウキさんの事例をもとに、後悔しない住まい選びのポイントを辻本剛士CFPが解説します。
「半年以内に家を出て行って」年金暮らしの親から宣告…手取り25万円・31歳男性が〈シェアハウス〉入居も、1ヵ月で「実家へUターン」したワケ【CFPが解説】
【CFPが解説】「家賃の安さだけで決めるのは危険」シェアハウスで後悔しないためのポイント
近年は住宅価格や家賃の高騰、価値観の変化などを背景に、シェアハウスを選ぶ人が増えています。
シェアハウスとは、一つの住宅を複数人で共有して暮らす賃貸住宅です。家賃や光熱費を抑えやすく、家具や家電が備え付けられている物件も多いため、初期費用を抑えて気軽に新生活を始められる点がメリットです。
一方で、住み始めてから後悔するケースも少なくありません。少し古いデータになりますが、国土交通省が公表した資料によると、シェアハウスの入居者の約50%が1年以内に退去しており、共同生活ならではの難しさがうかがえます。
シェアハウスの主なリスクとしては、次のような点が挙げられます。
・生活時間帯や生活習慣の違いによるストレスが生じやすい
・共用スペースが多く、一人で落ち着ける時間や空間が限られる
・短期間で退去すると違約金が発生するケースもある
特に、ハウスルールが曖昧な物件では、掃除やゴミ出しの当番が守られなかったり、騒音や私物の管理をめぐるトラブルが起こったりすることもあります。
また、見落としやすいのが短期解約時の違約金です。シェアハウスでは最低入居期間が3~6ヵ月程度に設定されているケースも多く、その期間内に退去すると違約金が発生することがあります。
住居費を抑えられるという理由だけで安易に契約すると、ユウキさんのように結果的に大きな出費につながる可能性もあります。シェアハウスを検討する際は、家賃だけで判断するのではなく、ハウスルールや契約内容、最低入居期間の有無なども事前に確認したうえで判断することが大切です。
遠回りをして気づいた「自分に合った住まい選び」の大切さ
ユウキさんはシェアハウス退去の旨を両親に説明し、もう一度だけ半年間の猶予をもらうことになりました。
今度は家賃の安さだけで判断するのではなく、通勤時間や住環境、契約内容なども含めて慎重に物件を探します。その結果、都心から少し離れた郊外のアパートに入居することを決めました。
都心ほど便利ではありませんが、その分の家賃は抑えられ、落ち着いた環境で一人暮らしを始めることができました。
「少し通勤時間は長くなるけれど、自分にはこちらのほうが合っている」
そう納得したユウキさんは、新たな生活をスタートさせたのです。
シェアハウスは、住居費や初期費用を抑えられる魅力的な選択肢ですが、すべての人に向いているわけではありません。家賃だけに目を向けるのではなく、自分の生活スタイルや価値観に合った住まいを選ぶことが、後悔しない住まい選びにつながるでしょう。
辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP
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