「もうお世話に疲れました」長年連れ添った夫へ突きつけた“三行半”

そんなある日のこと。遠方に住む高校時代の友人が、甥の結婚式でこちらに来ると連絡があり、トモコさんは久しぶりに会う約束をしました。

「おい、俺の昼飯はどうするんだ?」「夕飯までには帰ってくるんだよな?」と、いつもの調子で話しかけるカツヒコさんの言葉には耳を貸さず、トモコさんは家を出ました。

数十年ぶりに再会した友人は、とてもイキイキして見えました。聞けば、最近長年連れ添った夫と別れたのだといいます。それを聞いたトモコさんは思わず、これまで誰にも話せなかった夫の不満が溢れてきました。

「3人分の子育ても義母の介護も終わったのに、定年後は四六時中ついてこられて……。これ以上、自由が奪われるなんて、もう限界」

涙ながらにつらつら話していると、トモコさんの話を静かに聞いていた友人は言いました。

「私なら離婚しちゃうかも。だって現役時代に、もう十分尽くしてきたじゃない」

その言葉にトモコさんはハッとしました。ずっと抑え込んでいた不満が限界に達し、「私も自分の人生を生きていいんだ」と背中を押されたトモコさんは、離婚を決意。少し経って、夕食後にくつろぐカツヒコさんを前に切り出しました。

「もう疲れました。離婚しましょう」

カツヒコさんにとっては、寝耳に水です。「定年してこれから夫婦水入らずで過ごそうと思っていたのに」「俺のご飯はどうなるんだ」と激しく抵抗し、何度も話し合いを重ねました。

しかし、「このままでは私が壊れてしまう」というトモコさんの本気の拒絶と、すでに家を出る準備を進めているという固い決意を前に、これ以上引き留めることはできないと悟ったカツヒコさんは、最終的に渋々離婚を承諾したのでした。

「あなたも好きに生きてください。どうか、お元気で」という言葉を残して、トモコさんは家を出ました。