住宅ローンも完済し、定年退職の記念に「ヨーロッパ周遊旅行」を満喫した資産4,000万円・60代夫婦。幸福冷めやらぬまま帰宅した直後、自宅の前には見慣れた娘の車が停まっていました。悠々自適なはずのセカンドライフは、娘の口から語られた「想定外のトラブル」によって急転直下、老後資金枯渇の危機へと追い込まれます。ライフプランの崩壊を余儀なくされた60代夫婦の事例を通じて、老後資産を守り抜くための対応策をCFPの山﨑裕佳子氏が解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「ロンドン・ローマ・パリ周遊の旅」帰宅直後、家の前で待っていた娘。資産4,000万円・60代夫婦の悠々自適な老後を崩壊させた〈衝撃のカミングアウト〉【CFPの助言】
ロンドン・ローマ・パリ周遊10日間の旅…家庭を支えてくれた妻の夢
マモルさん(仮名:66歳)は、43年間働いた大手メーカーを3ヵ月前に定年退職したばかり。仕事人間を自負するだけあって、現役中は長期休暇を取ることに気が引けました。そのため、家族旅行をしても、せいぜい2泊3日の国内旅行でした。
長い間主婦として家族を支えてきた、妻のミサコさん(仮名・65歳)の長年の夢は「ヨーロッパ旅行」。
そこで、退職を機にマモルさんは妻の希望を叶えるべく、「ロンドン・ローマ・パリ周遊10日間の旅」を計画しました。マモルさんは、出張で何回か海外を訪問したことがありましたが、ミサコさんにとっては初めての経験です。
マモルさんは妻にこれまでの感謝と労いの気持ちを込めて、飛行機はビジネスクラスを用意、ホテルも五つ星クラスを予約しました。
旅行費用やお土産代など諸々で総額300万円ほど使ってしまいましたが、「真面目に一生懸命やってきた自分たち夫婦へのご褒美だ」と、散財したことに後悔はありません。
それにマモルさんは退職時に退職一時金として2,500万円を手にしていました。コツコツと貯めた預金と合わせれば4,000万円の資産があります。年金は夫婦合わせて28万円ほど。住宅ローンはすでに返済が終わっており、夫婦二人で老後を生活していけるだけの資金はあるつもりでした。
無事にヨーロッパ旅行を終えて空港からタクシーで帰宅すると、まさかの出来事が待ち受けていました。