キオクシア株「1年で40倍」を生んだAI特需の“裏側”

最近の半導体株の急騰をけん引しているのは、データを記憶・保存する「メモリ」関連の企業です。

日経半導体株の投資信託においても、上位企業である東京エレクトロンやアドバンテストが大きく伸びています。なかでも桁違いなのが「キオクシア(旧・東芝メモリ)」で、なんと1年間で約40倍(+3,941%)という凄まじい株価上昇を見せました。

なぜ、これほどまでにメモリ企業が市場から再評価されたのでしょうか。その背景には、AIブームに伴う「需要の移り変わり」があります。AI開発の初期段階では、AIの計算処理を担うGPUを製造する「NVIDIA(エヌビディア)」に世界中の資金が集中しました。

しかしその後、「GPUを増やしただけではAIは効率的に動かない」という壁に直面します。AIをスムーズに動かすには、GPUのそばで働く「短期の記憶(HBM)」が必要だとわかり、HBMを製造するサムスンやSKハイニックス、マイクロンといった企業の株価が高騰しました。

そしてさらに遅れて、「AIには短期記憶だけでなく、大量のデータを保存する長期の記憶(NAND)も必要だ」という事実が判明します。NANDを専門に製造しているのが、日本のキオクシアや米国のサンディスクです。

もともとAI関連としては市場からまったく評価されておらず、期待値が極めて低かったこれらの企業が、急きょ「AIに不可欠な存在」としてスポットライトを浴びたため、1年で40倍を超えるような爆発的な株価上昇へとつながったのです。