司法統計年報(令和6年度)によると、同年に家庭裁判所へ持ち込まれた遺産分割争いの件数は1万5,379件にのぼるそうです。こうしたなか、遺族が揉めないためにも、元気なうちから対策しておくことは大切でしょう。しかし、良かれと思って行った生前贈与が、かえってトラブルの火種になってしまうケースも……。金銭的に余裕のある元教師の夫婦の事例をもとに、生前贈与がはらむ“思わぬリスク”を紹介します。
(※画像はイメージです/PIXTA)
贈与なんてしなきゃよかった…〈年金月37万円〉〈貯金5,000万円〉60代元教師の後悔。愛する娘とその旦那に「110万円ずつ」プレゼント→翌週、娘夫婦が「離婚寸前」に陥ったワケ
“安易な贈与”は逆効果?
まとまった金額の生前贈与は、事前のコミュニケーションを怠ると、トラブルを招いてしまうリスクがあります。まとまったお金を“予期せず”手にしたとき、夫婦間の価値観のズレが浮き彫りになるのかもしれません。
また、2024年1月からスタートした新NISAなどをきっかけに、若年層の間で投資への意識が高まりました。一方、資産運用に対して拒絶反応を示す層も一定数存在します。そのリテラシーの格差が、夫婦の亀裂を生む要因となりかねないのです。
善意の生前贈与が裏目に出ないよう、たとえば「何のために使ってほしいお金なのか」という意図を共有することも、ひとつの選択肢でしょう。
「生前贈与を思いついたときは『きっと喜んでくれる』と信じて疑っていませんでしたが、浅はかでした。今後はなにごとも、もっと慎重に検討するつもりです」
オサムさん夫婦は今回の件を教訓に、自分たちの資産状況や今後の終活プランをオープンにしたうえで、子どもたちと丁寧にコミュニケーションをとりながら終活を進めようと、固く誓ったのでした。
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