定年を迎え、再雇用で収入が減っても「退職金には手をつけず、なんとかやっている」はずだった62歳のBさん。しかし、特別なムダ遣いをしていないにもかかわらず、短期間で老後資金が130万円も減少する事態に直面。本記事では、横山光昭氏と関口博美氏の著書『おふたりさまの老後資金は「これ」で増やす』(小学館)より一部を抜粋・再編集し、高齢者が陥りがちな〈ある固定費〉の落とし穴について解説します。
「退職金には手をつけてないのに…」62歳男性の家計に異変。“無駄遣いゼロ”の裏で、気づけば〈老後資金130万円〉が消滅していたワケ【FPが解説】
生命保険は“ライフステージごと”の見直しが必須
古いタイプの定期付終身保険は、現在、保険会社の新規の取り扱いをほぼ見なくなりました。しかし、若いときに加入したままという高齢者は、かなり多いと推測されます。
Bさんも結婚した30代で加入して以来、見直すことなく継続していました。典型的な定期付終身保険は、定期保険特約や医療特約などが追加され、10年ごとに自動更新。そのたびに保険料がアップする仕組みです。Bさんの保険も、加入時の保険料は月1万5000円程度でしたが、10年ごとに上がり、現在の月5万円になったそうです。
基本的に死亡保障は、夫婦だけで暮らしているときは必要ありません。子どもが生まれて初めて加入を考えるべきです。子どもが就職し、家族の生活が貯蓄や年金などでまかなえる見通しが立てば、死亡保障は解約、あるいは、葬儀関連費用を見越した最低限の保障などに絞って構いません。
Bさんは解約すると約150万円の解約返戻金があり、それを貯蓄に回し、新たに夫婦で医療保険に加入。がんの不安があるため、がん保険にも入りました。掛け金はふたり合計で1万円ほどです。結果、保険料を約4万2000円削減できました。
家計見直しで支出の大幅カットに成功
●Bさんの基礎データ
Bさん…62歳/再雇用 妻…57歳/専業主婦
子ども…2人/独立 貯蓄額…1800万円
住まい…持ち家
Bさんの家計改善額
●保険料(▲4万2000円)...............夫婦の医療保険と夫のがん保険だけに絞った
●小遣い(▲2万円).......................金額が多すぎたため適正額に
●食費(▲3000円)........................外食を1回減らした
●日用品費(▲1000円).................買いだめを減らした
●衣服・美容費(▲2000円)............衣服の購入を減らした
子どもがすでに独立したBさんは、見直しにより大幅に保険料を削減。夫婦の医療保険と、夫のがん保険のみに加入し、必要な保障だけに絞りました。
住宅ローンの完済まであと5年程度ありますが、完済後は家計が黒字化し、貯蓄を増やせるでしょう。住宅ローンの残債にもよりますが、一括返済して、家計の黒字分を早くから投資に回すのも手です。
また、収入が減ったら、それに合わせてお小遣いも減らすほうが無難です。ムダ遣いを控えるための意識改革につながるからです。
