貯蓄200万円で定年間近…投資を始めるには「生活防衛資金」が不足

定年を間近に控えたIさん(58歳)は、子どもの独立も近づき、真剣に老後資金を考え始めました。住宅ローンの返済が60代半ばまで続くこともあり、定年後は再雇用で働き続けるつもりです。

妻もパート勤務を継続するため、ローン返済は計画通りに終わる見込みです。50代まで教育費の負担が続き、貯蓄は200万円ほどと少なめですが、退職金が1500万円ほどもらえるため、投資を活用して増やしたい意向です。

Iさん夫婦の現状の生活費は、月に約54万円。投資を始めるには、最低でも生活費の7.5か月分〜12か月分の資金を「生活防衛資金」として残しておかないと、「万が一のときに大変になる」というのが私たちの考え方です。

本来なら54万円の7.5か月分、つまり405万円以上の貯金がないと投資はおすすめできません。しかし、長期投資のためには、年齢的になるべく早く始めたいとの希望も理解できます。

ボーナスと家計見直しで「最初の貯金目標」を目指す

そこで、退職金を受け取るまでは家計から余剰金を捻出して、貯金を増やしながら一部を投資に回す計画を提案しました。退職金を受け取った後は、生活防衛資金に加え、3年以内に予想される大きな出費の分を残し、それ以外の余ったお金を投資に回す方針です。

入念に支出を見直すと改善可能な項目が見つかり、当初3万円だった余剰金が7万円に増えました。しかも、子どもの大学の後期分の授業料を払い終えると、教育関連の支出がなくなるため、その後の生活費は月45万円程度にまで減らせる見込みです。

そこで、45万円の7.5か月分強の340万円の貯金を最初の目標にしました。現在、200万円の貯金があるため、残りは140万円。毎月7万円の余剰額から4万円と、Iさんの年2回のボーナスからも一部を回せば、2年で達成できます。それらを踏まえ、当面は余剰金の残り3万円を投資に回すことになりました。