持ち家と必要十分な年金があり、働かなくても穏やかに暮らすことができる。老後不安とは無縁なひと握りの人たち……しかし、そのような人たちでさえ、安定した老後が約束されているわけではありません。見落とされがちなリスクが、ある日突然、人生の歯車を狂わせることもあるのです。年金月17万円の女性とその息子の事例から、穏やかな老後を脅かす“思わぬリスク”を紹介します。
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“慣れ”が油断に…カズコさんの誤算
はじめはこわごわ注文していたカズコさんも、その便利さと手軽さにハマってしまいます。日用品のみならず、家電や化粧品、サプリメントにいたるまで、少しでも「良さそう」と思ったらすぐに購入するように。そのなかに意図せず定期購入となっていた商品もあったようで、解約の仕方がわからないまま商品がどんどん届いた結果、家のなかが段ボールの山となっていたのでした。
自分がネット通販を教えたことが、結果的に母を追い詰めてしまったのではないか――。
ショウタさんは後悔の念とともに、買い物難民の母を今後どう支えていけばいいのか悩んでいるといいます。
ネット通販のトラブル回避策
買い物難民となりやすい高齢者のQOLを維持するうえで、ネット通販が便利で有効な手段であることは間違いありません。
一方、消費者庁「令和5年版消費者白書」によると、65~74歳までの消費者トラブルとして「インターネット通販」の割合が高くなっているそうです。
では、高齢者のネット通販トラブルを防ぐために、どのような対策をとればよいのでしょうか。
1.家計の現状把握とカード管理
まずは、カズコさん自身に家計の現状を具体的な数字で把握してもらうことが大切です。通帳の記帳を行い、クレジットカードの引き落とし額を確認して「いくらまで使っていいのか」を親子で一緒に決めましょう。
ネット通販に歯止めが利かなくなる要因のひとつは、お金を使っている感覚が薄れることです。クレジットカードの利用限度額を下げるなど、物理的な対策を検討しましょう。
2.ネット通販の代替案を検討
ネット通販は、買い物難民にとって強い味方である反面、広告の誘惑や定期購入の罠にハマりやすい点はデメリットです。そこで、より安全な買い物手段への移行を検討しましょう。
たとえば、ネットスーパーへの切り替えや、カタログ注文による戸別配送などがひとつの手です。
3.見守りの仕組み化
離れて暮らす親を支えるためには、子どもが親を遠隔で見守る仕組みを作るといいでしょう。具体的には、カズコさんのECサイトのアカウントをショウタさんが共有して、買い物履歴を確認できるようにすれば、早期に異変に気づくことができます。注文確認メールの受取先をショウタさんに設定しておくことなども有効です。
また、親から仕送りや援助を求められた際に安易にお金を送金してしまうと、本来必要のない商品を買ってしまうことにもなりかねないため、どうしても必要なものは現物支給にしたほうが安心です。
