持ち家と必要十分な年金があり、働かなくても穏やかに暮らすことができる。老後不安とは無縁なひと握りの人たち……しかし、そのような人たちでさえ、安定した老後が約束されているわけではありません。見落とされがちなリスクが、ある日突然、人生の歯車を狂わせることもあるのです。年金月17万円の女性とその息子の事例から、穏やかな老後を脅かす“思わぬリスク”を紹介します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
ちょっと、生活が苦しくて…年金月17万円の70歳母から電話で“SOS”→急いで帰省した43歳長男が半年ぶりの実家で目にした「衝撃の光景」【CFPの警告】
仕送りしてほしい…母からの電話に抱いた“違和感”
ショウタさん(仮名・43歳)は、都内で働く会社員です。妻と2人の子どもとともに、川崎市にあるマンションに暮らしています。一方、ショウタさんの父は3年前に他界しており、埼玉県の実家には、母・カズコさん(仮名・70歳)が一人で生活しています。
先日、カズコさんからショウタさんに一本の電話がありました。
「ちょっと、生活が苦しくて……。申し訳ないんだけど、少し助けてくれない?」
ショウタさんの年収は約1,000万円で妻もパートで働いているため、自分たちの生活に不自由はありませんが、ちょうど子どもたちの教育費がかかる時期のため、家計に余裕があるわけではありません。
他方、カズコさんは年金生活とはいえ、自身の年金と遺族厚生年金を合わせれば月額17万円の収入があるはずです。
「どうしたの母さん、なんでお金が必要なの?」とショウタさんが聞いても、あいまいな返答しかありません。
不審に思ったショウタさんは早速その週末、半年ぶりに実家に帰ることにしました。
ショウタさんが実家で目にした「まさかの光景」
玄関を開けてまず目に飛び込んできたのは、廊下の奥までうず高く積み上がった段ボールでした。
「なんだこれ……」
カズコさんは気まずそうに答えます。
「この前、ショウタに教えてもらったあれで注文した商品なんだけど、頼んでないのにまた届いたのよ……」
思い返せば半年前、車の運転ができないカズコさんを気遣い、「重いものや大きな日用品はネットで買えるよ」と、ネット通販のやり方を伝授していたのでした。
実家付近は近年、大きな駐車場を備えた商業施設が建った代わりに、徒歩圏内にあった商店は軒並み閉店。そのため、カズコさんにとってネット通販は日々の生活の救世主でした。